2009年11月23日

地域資料という名のモノたちと格闘してます

先日、自分が勤務している図書館に、小さな資料室の資料が丸ごと引っ越してきた。

第二次大戦中、東京は大規模な学童集団疎開を行った。
疎開と空襲という大きな惨禍を受けた過去を未来へ語り継ぐため、集団疎開の記念誌を作ったのがきっかけで、記念誌づくりの際に集まった写真や手紙、文書といった貴重資料を展示する資料室が、区内の小学校の一角に設けられた。
週2回の半日、シルバー人材センターの嘱託員と、疎開体験者のボランティアによって開室され、時にはその場で体験談が話されることもあったという。

それから10年、資料室の置かれている小学校が、児童数の増加により手狭になった。
そうするとこのコレクションはどこへ?
今後も公開していきたい、それも恒常的に公開できればもっといい、という方向で話し合いが行われた結果、図書館が引き受けることになったようだ。

話を聞いたときの第一印象は「正直、手に負えるかな?」だった。
中央館とはいえ、図書や雑誌、CDといった一般的な資料しか扱ったことはない。
戦前資料をコレクションとして持っている館も区内にあるが、そこにはもう場所がない。
「公開」が前提である以上、倉庫にしまいっぱなしというわけにもいかない。

場所は? 整理は? 運用方法は? 人は?
いろんなものが不透明なまま、移管の日は近づいてくる。
腹をくくろう。
見方を変えればとびきりの地域資料である。
限りなく博物館的なモノたちだが、「貴重な資料を市民に公開したい」というのであれば、図書館は有効な選択肢だろう。

引越前に資料室を見学。レイアウトや展示物の確認をしておく。
一応目録はあるが、どうも微妙。
「移転前に目録と現物の照合をしてほしいのですが」と頼んでみるも「…無理。」
だろうなあ。引き取ってから目録取り直しだな。
文化財係と連絡とって、今後の対処を検討しよう。
現物を目にすると、これをちゃんと扱えるのかという畏れと、現物の持つ力強さをきちんと生かしたいという思いが同時に浮かぶ。モノは偉大だ。

資料を引き取り、整理しながら痛感するのは、自分がいかに無知かということ。
集団疎開もある程度は知っているつもりであったが、記念誌を読んで初めて知ること多数。
そもそも、非図書資料の取り扱いについてここまで知らないことだらけとは。
今まで扱ってこなかったとはいえ、図書館に勤めて十数年というのに情けない。
不安もそこから来ているのは明白で、勉強のしなおしである。

とりあえず展示室の体裁を整えるだけで手一杯だが、じっくり腰を据えてとりかかるとかなり面白いコレクションだ。
その腰を据える時間が取れないのが現状なのだけれど、そこをきちんと計画立てて進めるのも司書の仕事、と上司に言われた。
それはそうだ。努力精進。

(M.I.)
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2009年11月20日

ライブラリアンというバラが福岡にあります

「ライブラリアン」という品種のバラの花.jpg[福岡県粕屋町の図書館フレンズの方から情報いただきました]

粕屋町には周囲4,5キロの大きなため池があり、その中にバラ園があります。
私はそこのボランティアもしているのですが、その水辺に「ライブラリアン」という品種のバラの花がひっそりと咲いているのです。
公園作成者に聞いてもその花の由来とかいうものはよくわかっていず、詳しいことは不明です。

図書館のそばにも公園はあるのですがそちらには植わっていません。
挿し木をして増やし、図書館の周りもそのバラで埋め尽くせたらと思っています。

凛とした佇まいで、標識にはカネコファーム、2002年としか載っていません。
広島の田頭さんという方が公園作りを担当してくださったのですが、お友達からもらった苗だとおっしゃっていました。
とにかく存在することがうれしい花です。
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2009年11月19日

「子どもゆめ基金」廃止に伴い、それに代わる「子ども文化に関わる基金」の創設を政府・与党に求めましょう。

[昔話研究者として著名な小澤俊夫さんから情報いただきました]

新政府の行政刷新会議主催の事業仕分けで、「子どもゆめ基金」の廃止が決まりました。
まだ政府の決定ではありませんが、近く正式決定されるでしょう。
激しい怒りを感じますが、あの「子どもゆめ基金」は役人の天下り先で、配分額より人件費が多いし、配分が誰によってきめられるのか全く不透明でした。
だからあの「子どもゆめ基金」が廃止されるのは、むしろいいことかもしれません。

しかし、子どもの文化をめぐる多様な活動を活発化させることは、日本という国の将来を左右する重大な事業です。
コンクリートから人へ、と主張する新政府をやっと作った私たちなのだから、2010年度本予算で、ゆめのように消える基金でなく、しっかりした「子ども文化に関する基金」を創設することを要望しようではありませんか。
本予算編成は年内におこなわれるので、大至急署名を集めなければなりません。
政府への要望書と署名用紙.docを添付しますので、なるべくたくさんの署名を集めて小澤昔ばなし研究所あてに郵送してください。

締め切りを12月15日水曜日とします。
本予算編成に間に合わせるためです。
署名の提出先は、行政刷新会議議長鳩山由紀夫氏とします。
子どもは何も言えないのだから、私たちおとなが大声で言わなければならないと思うのです。
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2009年11月16日

カモシカとしょかん

カモシカとしょかん.jpg今年、富山で1冊の絵本が出版されました。「カモシカとしょかん」です。
魚瀬ゆう子ぶん 水上悦子え 桂書房刊 1,365円

平成の大合併の後、北陸で唯一残った村、舟橋村は人口約3,000人、日本一面積が小さい村でもあります。
富山市のベッドタウンで、平成になってから引越してきた人と平成生まれの人が人口のおよそ半分ともいわれています。

1998年に私鉄の駅舎と一体化して建てられた図書館は近隣の住民をも引きつけ、人口1人当たりの貸出冊数は毎年40冊以上で、常に日本一の数値です。
人口1人当たりの数値は分母が小さければ高くなるのは当然ですが、図書館は村の人たちの暮らしに欠かせないものとなっています。
それは、舟橋村民の登録者が2,090人(2008年度末)と、村民の約70%の人がカードを作っていることからもうかがえます。

その舟橋村立図書館に、昨年7月思いがけないお客がありました。
国の特別天然記念物ニホンカモシカが玄関の自動ドアから入ってきたのです。
カモシカは誰を傷つけることもなく、自身ケガもせず麻酔で眠らされ、山に返されました。
この日の顛末は「みんなのとしょかん」2009年1月号の「カモシカ入館騒動記」に詳しいのでご覧ください。

館内にいた利用者の方が撮った写真です。.JPGカモシカの捕獲の際、図問研中沢委員長の危機管理の講演を聞いて用意したサスマタが役に立ったということを知り、私は喝采しました。
ゴム手袋等を備えていたことも、後始末の際、獣医さんに感心されたそうです。

全国ニュースにもなったカモシカ騒動を、絵本にしたいと考えた村立図書館の司書が村当局の理解を得て予算取りし、県立図書館の司書が文を書き、地元作家さんの絵で本が出版されたのは、ちょうど1年後の今年7月でした。
初刷り1,000部は完売し、増刷しました。
地方小出版流通センター扱いで、全国の書店から購入できます。

(富山支部 田中史子)
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図書館問題研究会第37回東北集会のご案内

東北の図書館から未来に挑む!

海の幸、山の幸の豊富な青森の温泉で、冬の寒さに負けずに心をホットにして、図書館の未来を語り合いましょう。
各地の皆様のご参加をお待ちしています。

日時 2010年1月10日(日)(13:00受付)〜11日(月・成人の日)(12:00終了)
    八戸駅から12:50に無料送迎バスが出ます。
    それ以降の到着予定の方はタクシーでお越し下さい。
会場 ウエルサンピア八戸(温泉です) 電話0178-23-5151
参加費 全日参加(1泊2食付) 13,000円
      夕食なし参加(1泊朝食付) 9,000円
      日帰り参加(夕食あり) 8,000円
      10日のみ参加 2,000円
      11日のみ参加 2,000円
      (発表者1,000円引き、発表者資料持参500円引き)
     参加費は当日受付にお支払いください。
     1月以降はキャンセル料が発生します。
     部屋は全て相部屋となります。
     発表をされる方は、発表資料を50部持参してください。
申込先 図書館問題研究会宮城支部 加藤孔敬
      〒981-0503 宮城県東松島市矢本字大溜1-1 東松島市図書館
      ファックス0225-82-1121 katolib@gmail.com
     申込時には氏名、住所、電話番号、アドレス、所属、発表の有無を記入してください。
     発表を希望する方は、発表希望日、発表のタイトル(テーマ)を記入してください。
締切日 12月20日(日)
      11月30日(月)までに申込んだ方は1,000円引き!

主催 図書館問題研究会岩手支部・福島支部・山形支部・宮城支部
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2009年11月11日

「図書でいのちを考える」〜闘病記と絵本から勇気をもらう!〜のお知らせ

[健康情報棚プロジェクト代表の石井保志さんから情報いただきました]


現代の医療を取り巻く状況においては、闘病記が「病気とともに生きるための情報源」として注目を集めています。
「病と人間」を綴った日記文学は、時を経て「当事者を理解する貴重な体験談」として見直されるようになりました。
大阪府立大学羽曳野図書センターに西日本最大級の闘病記文庫が設置されているのをご存知ですか?
同大学看護学部では患者の気持ちを知るため、学生が闘病記を読み合う試みがされています。
また、絵本は、子どもが読むものとしてではなく、大人も「いのち」や「人生」を考え勇気や感動を与える本として脚光を浴びています。
闘病記と同様に、絵本を小中学校で「いのちの授業」に活かす事例も増えてきました。
このように、闘病記や絵本は「生老病死」に触れる教材となる可能性を秘めています。
この公開講座では、「図書でいのちを考える」として闘病記と絵本の実物に触れ、耳で聞き、活用方法を知ることで、図書の持つ力を感じていただきたいと思います。

◆開催日時と場所
【日時】 平成21年12月13日(日) 13:00開会(12:30受付開始)
【場所】 大阪府立大学中之島サテライト2階講義室
      大阪市北区中之島1丁目2番10号(大阪府立中之島図書館別館内)
【定員】 80名
【受付】 申込先着順で受付いたします。
      定員になり次第締め切ります。
【応募締切】 12月4日(金)必着
【参加料】 無料
【申込】 http://www.lib.osakafu-u.ac.jp/gakubu/nursing/files/tobyoki2009.html
      http://www.osakafu-u.ac.jp/extension1/extension000097/tosho.pdf

◆プログラム(予定)
13:00 開会
13:10 講演1「いのちの模擬授業」
        講師 愛知みずほ大学大学院特任教授 薬師寺道代氏
13:50 講演2「医療資源として闘病記と絵本を見直す」
        講師 健康情報棚プロジェクト代表 石井保志氏
14:20 (休憩・展示見学)
14:40 絵本と闘病記の朗読
        朗読 K&Yクールズ:寺澤京子氏・堀内由香氏
15:10 事例紹介「大阪府立大学の闘病記を読もう会」
        講師 大阪府立大学看護学部講師 和田恵美子氏
15:40 質疑応答
16:00 閉会

※講師、内容は変更になる場合があります。
posted by 発行人 at 07:23 | Comment(0) | イベント | 更新情報をチェックする

みんなの図書館2009年12月号が出ました

みんなの図書館2009年12月号.jpg◆◆目次◆◆

特集:図書館員を育てる、図書館員が育つ
特集にあたって 関西編集部 01
みんなで育つ、地方での図書館員養成 種村エイ子 02
練馬区の非常勤職員研修について 佐藤葉子 09
レファレンスでの図書館員育成 斎藤文男 16
キャリアデザインと図書館 坂口まゆみ 25

連載:
アメリカの図書館は、いま。―39 焚書週間 井上靖代 32
マスメディアの現場から―68 拡大する「書かない領域」 事件報道における障害者 佐々木央 38

図問研のページ:
山本哲生さんを偲ぶ 46
「図書館利用に障害のある人へのサービス」交流のページ 高松市図書館における対面朗読サービスについて 赤尾幸子 57
非正規職員のための交流のページ 自治労臨時・非常勤・パート集会に参加して 廣井綾乃 58
図書館問題研究会広島支部学習会報告 占部奈生美 61
第2回全国委員会の記録 61
会員異動 64

イベントガイド:
図書館スタッフのための仕事のツボ2009年度第2回 60
図書館問題研究会第37回東北集会 65

Crossword Puzzle; 306 31

『みんなの図書館』年間総目次2009 66



◆◆特集にあたって◆◆

司書採用試験がほとんどなくなった昨今、司書課程を卒業した学生たちはどう育っているのだろうか。
非常勤職員が多くなった図書館現場では先輩の図書館員はどう後輩を育てているのだろうか、どういったことを後輩に伝えていけばよいのか。
心配になった編集部は「図書館員を育てる、図書館員が育つ」というテーマを企画しました。

学校を卒業し、就職した後をどうフォローしているのかは、種村エイ子氏に「みんなで育つ、地方での図書館養成」で報告していただきました。
常勤職員とともに図書館を担う非常勤職員を育てる、さらに自ら育つための研修は、佐藤葉子氏に「練馬区の非常勤職員研修について」。

図書館員へのアンケートで学びたいことのトップにくるのは、やっぱりレファレンスサービスでした(※)。
斎藤文男氏の「レファレンスでの図書館員育成」では、レファレンスを通して図書館サービスの現場で「育つ」・「育てる」ことが具体的に紹介されています。
そして、仕事に必要な教育訓練へのアドバイスや、学ぶ人のキャリア発達を促すメンターの存在について、「キャリアデザインと図書館」を坂口まゆみ氏に書いていただきました。

※『図書館職員の研修の充実方策について(報告)』 これからの図書館の在り方検討協力者会議 2008年 p.50

(関西編集部)
posted by 発行人 at 07:05 | Comment(0) | みんなの図書館 | 更新情報をチェックする

レファレンスのコスト・パフォーマンスをどう高めるか

図書館の<高度なレファレンス>は官のサービスとして質が高すぎ(コストがかかりすぎ)ではないか、という発言が、大阪府立図書館への市場化テスト導入を巡る記者会見で知事からありました。
このことについて「レファレンスのコスト・パフォーマンスは、図書館サービス全体にそれがどう反映され、どれだけの市民に還元されているか…という観点から計られるべきである」という反論を考えてみました。

図書館のレファレンスが<一個人の質問に対しての回答>で終わってしまうなら、かかった時間×職員の時給、という計算でいいでしょう。
しかし、私が日々行っている業務を考えるとこの計算は成り立ちません。
一つのレファレンスから派生して、様々な業務が生まれているからです。

一例をあげましょう。
先日も、2日間国会図書館に通って官報をつぶさに見たが欲しい情報を探しきれなかった…というビジネスマンが当館に来ました。
求めているのは「個人の破産情報」であると聞き、私は全文が検索できる官報情報検索データベースを使い、数分で求める情報を見つけました。
もちろん、これらの情報は国会図書館にもあるものです。
しかし、国会図書館は個人利用に重点を置いた施設ではないので、人的ナビゲーションが十分ではなく、あるはずのものが探せない…ということが往々にして起こるのです。

このケースが重要なのは、そこで行われている市民の情報探索の自立支援です。
私が数分で行ったのは1件の調べ物の探索時間の短縮であるとともに、<官報情報検索データベースの存在と利用方法を知らせる>という調べ方の案内でした。
このことで、彼は今後の同種の情報探索にかかる時間を大幅に短縮し、その時間を情報の活用というビジネス活動に振り分けられるようになった…ということになります。

平均単価1万円の高価な専門書は、ただ棚に置いてあったのでは一部の専門家のみにしか存在を知られず、また、全くの素人には使いこなせないものです。
しかし、そこにどんな情報が載っているか職員が知っていれば、求める市民の声に応じて必要なページを開き、情報を提供することができます。
これがレファレンスです。
1万円/1人という資料に対する投資を、1万円/全ての市民にする費用対効果の高いシステム整備がレファレンスという「人的ナビゲーション」なのです。

これは、持っている資料に限った事ではありません。
優れた図書館員は、自館で何ができないかを知っています。
利用者の求める情報は自館では提供できないと瞬時に判断するや、次の段階(ネット上の代替情報の提供や他機関への紹介・照会)へと進みます。
資料費が十分でない図書館ほど、優秀なナビゲーターの存在が必要です。
今ここになくても次はどこに行けばいいか…という情報提供が、市民の情報アクセスを保証し、情報チャンネルを拡大し、図書館に対する信頼と満足感を高めるのです。

また、有用なレファレンス事例はデータベースとして蓄積します。
そうすれば、図書館で同様の質問を受けた時、探索にかかる時間を大幅に短縮することができるからです。
このデータは国会図書館の「レファレンス協同データベース」に提供することで、全国の図書館「共有知」として有効活用できます。

さらに、こうしたレファレンス事例の中でもよくある事例を、図書館でテーマ別にまとめて編集し、市民のための情報ナビゲーション・ツール(パス・ファインダー=調べ方の案内)として図書館ウェブサイトに掲載したり、図書館で配布したりしています。
こうした情報提供は、「図書館ではどんなことが調べられるか」の宣伝となり、かつ、「自分で調べる」手助けにもなります。
図書館員は基本的な探し方や情報についての説明が省略できるので、カウンターで個別のより具体的な、深い情報欲求を引き出し、その探索を支援することができるようになるのです。

市民一人ひとりの情報リテラシーと持てる情報環境には大きな格差があります。
同程度の読解力があっても、IT教育を受け、職場に整備された情報環境があり、自身で資料選別と購入ができる情報強者に比べ、自力で情報にたどり着く術のない情報弱者(例えばインターネットがない時代に育った高齢者)では、入手できる情報の質と、その情報に辿りつくためにかかる時間には大きな差が生じています。

また、情報地図は近年急速に変化しています。
市民に公平に開かれるべき統計情報を例にとっても、インターネットでの情報公開を契機として、従来あった紙媒体での発行が続々と中止されています。
現在の知識が明日も通用するとは限らないのです。

老いも若きも富める者も貧しき者も、全ての市民が社会環境に適応し、安心で文化的な生活を営む手助けをすることが、図書館の大きな使命です。
図書館は、情報化社会から疎外される高齢者層のためのセーフティネットであり、高額なデータベースや専門書を自社では揃えることのできない中小企業の公設資料室であり、町の診療所の医師や看護師のための病院図書室であり…情報支援に関わるあらゆる機能を備えています。

図書館の、レファレンスから始まる情報支援のシステムを整えましょう。
そして、図書館員とはいわば図書館を動かすCPUであり、その性能が高いほど、よりよい情報が短時間で得られる…ことを市民に<見える化>しましょう。
そこまでして初めて、「レファレンスへの初期投資は市民に様々な形で還元され、元は取れている」と市民に自信を持って主張できるのだと思います。
(神奈川支部 吉田倫子)
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2009年11月02日

図書館をたとえると

図書館に勤めるようになってしばらくしたころ、図書館って新聞のようなものだなと思った時期がありました。
中央図書館、大きな図書館は新聞全体、地域館は家庭面と考えたのです。
家庭面には家事だけではなく日常生活のさまざまな事柄が載っていました。
社会状況の変化、新聞のページ数の増で、教育や医療など独立したページ構成になっていったものもありますが、おおむね家庭面で取り上げられていた内容だと思います。

それからしばらくして、図書館ってお医者さん(医療機関)のようなものかなと思うようになりました。
家の近くの開業医(家庭医)が身近な図書館、病院が大きな図書館という具合。

日常的には近所のお医者さんに診てもらっている。そこでは医師と看護師くらいしかいない。ところによっては医師とほかにはその奥さんだったりした。
検査や手術が必要な時には大きな病院へ行く。
そこでは診療科がいくつも分かれていて、働いている人も医師、看護師、薬剤師、レントゲン技師、理学療法士、検査技師などの医療専門家のほかに事務員、栄養士、調理の人たち等々いろんな人たちが働いている。

思いついた当初は、図書館はお医者さんのようには細分化していなかったし、今も公共図書館というレベルではそんなに分かれていないけれど、図書館全体を見れば専門図書館がありますよね。
専門職としての司書がもっぱら問題にされてたけれど、事務職の人はいたし、図書館にはいろんな職種の人々が働ける可能性はあると思ったし、巨大な図書館ができればその中でも専門分化していく可能性はあると思いました。

そのようにたとえが変化した理由については、館規模の違う図書館に勤めたことも影響したかもしれません。
その後、規模では全国でも有数の中央図書館ができ、そこで働いたことはそのたとえを補強したと思います。
現実は全然病院とは違いますけどね。

そんなわけで『みんなの図書館』8月号の特集記事で豊田高広さんが図書館を病院にたとえているのを見たときは嬉しく思いました。

しかし、豊田さんのたとえを読んでいて、ちょっと違うかなと思うようになったところがあります。
豊田さんはビジネス支援を専門医に割り振って、家庭医の領域じゃないような書き方をされているのですが、家庭医ってもっとできるんじゃないかと考えるようになりました。

風邪は万病の元じゃないけど、何気ない症状のものが結構重篤な病気の初期症状だったりするものがあるし、それを最初に見極めることが家庭医の段階でできることは大事ですよね。
散々医者めぐりをした挙句わかるのとでは大違いでしょう。
ホスピスという専門機関があるけれど、最後を家で終わりたいというときも診てくれるのは家庭医じゃありませんか。
家庭医が名医であることはものすごく大事なことなんじゃないの!!!

ということで、地域の小さい図書館が日常のサービスの中でさまざまな要求に応え、大きな図書館や関係機関につなぎ、またそれらの支援を受けながら利用者の要求に応えていくことの重要性を改めて感じたのでした。
豊田さん、感謝! 図書館=医療機関説っていいたとえよね。

(神奈川支部 川越峰子)
posted by 発行人 at 12:04 | Comment(0) | リレーエッセイ | 更新情報をチェックする

2009年10月27日

図書館問題懇談会のお知らせ

[図書館友の会全国連絡会さんから情報いただきました]

8月総選挙で政権は交代し、多くの新しい国会議員が登場しました。
この時機に合わせ図書館の振興発展をめざす国会議員対象の「院内集会」を開きます。
もちろん市民も参加できます。全国の状況や思いを直接に伝えたいと思います。

院内集会とは永田町にある議員会館の一室で行なう集会のことです。
この会館には国会議員の議会事務所(部屋)が並んでいます。
議員の皆さんに図書館の存在意義を伝えることで、振興政策立案につながるよう小さくとも一石を投じることができれば、と願っています。

日時 2009年11月19日(木)
    午後2時〜3時半(開場1時半)

場所 衆議院第二議員会館 第4会議室

地下鉄丸ノ内線・千代田線「国会議事堂前」駅(4番出口)
地下鉄有楽町線・半蔵門線・南北線「永田町」駅(1番出口)
地下鉄銀座線・南北線「溜池山王」駅(5番出口)

※正面玄関内階段下で入場券をお渡しします

内容(予定)
竹内[サトル]氏(図書館情報大学名誉教授 日本図書館協会前理事長) 講演30分
○国会議員からの発言 30分
○現場からの報告 30分

要事前申込・参加費無料
11月15日(日)までに、本用紙にご記入の上図書館友の会全国連絡会宛、ファックスでお申し込み下さい。

問合せ先 図書館友の会全国連絡会事務局(阿曾) FAX 0467−45−5731

 ――――― 参加申込書 キリトリ不要・送信票不要 ―――――

図書館友の会全国連絡会事務局行き:FAX 0467−45−5731
ご所属               お名前
ご連絡先TEL(含携帯)またはFAX (     −     −      )

※ご提供いただいた個人情報は厳重に管理し、公表いたしません。

図書館問題懇談会のお知らせ.doc
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