2009年03月01日

「ハマの図書館」は進化する有機体か?

 2月25日、横浜市山内図書館に指定管理者制度を導入するための条例一部「改正」議案が横浜市会で、「附帯意見を付し、原案可決」となった。
 190名の司書を抱える横浜市の図書館は高レベルのサービスで定評がある。専門職としての司書の補充も毎年着実に行われ、年齢別構成のバランスもいい。
 なぜこのような図書館に指定管理者を入れなければならないのか? 素朴な疑問を抱き、導入の是非を問う活動に関わった。
 残念な結果を前にして、今思うところを記録しておきたい。

 当局は徹頭徹尾、市民への情報公開を避けていた。
 ハードもソフトも、当局職員でさえ市民の税金で運営管理される公立の図書館でありながら、当局にとっての「市民」は、自ら選出した「横浜市の図書館のあり方を考える懇談会」委員と横浜市教育委員会委員、そして横浜市会議員のみであったというほかない。
 説明会もパブリックコメントも行われず、公開質問状にも誠意ある回答をしなかった。
 市民に残された手段は教育委員会、市会への陳情書・請願書提出やロビー活動だけであったが、そのいずれからも市民が納得できる説明は最後まで得られなかった。
 知る権利を守り支援する要であるはずの当局が、市民に背を向け、市民の知る権利を阻んでいることのおかしさと悲しさ。

 以下、2年半におよぶ市民の活動を列記する。
・横浜市全域での集会を開催(計10回)
・2万筆の署名を市長、教育委員長に提出
・シール投票による市民への周知度調査(2回)
・指定管理者として図書館を受注している複数企業の管理職や司書スタッフにヒアリング
・延べ100名を超える全会派市議、県議、国会議員へのロビー活動
・総務省、文科省など担当省庁への交渉
・2度にわたる公開質問状の提出
市民が描く図書館のグランドデザイン(「私たちの図書館政策」)の提出
・絶え間ないプレスリリース
・ITを駆使した各方面への情報発信と情報交流

 条例「改正」はされたが、厳しい附帯意見がもりこまれた。市民にとって、唯一手にすることのできた成果物である。
 一方、業務水準書や第三者評価委員会など、注視すべき事項は山積している。
 これまで同様、当局が情報公開に消極的であることが予想されるなか、市民はさらに知恵をしぼらなくてはいけない。活動することで自らの学びを深め、活動で得られた様々な連携の拡充を進めていきたい。
 図書館はなぜ自治体に必要不可欠なのか。その存在意義を共有すべく何度でも、諦めずに、各方面に積極的に働きかけていこう。図書館の未来を拓くための、それが最も確かで早い道筋だと思うから。
 ハマの図書館はそれだけの力を内在し、自ずから変化・進化していくことのできる有機体であると信じている。
(C.A.)


posted by 発行人 at 23:29 | Comment(1) | リレーエッセイ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いっそ、そういう熱意のある市民のみなさんがいらっしゃる地域であるならば、市民のみなさんが「指定管理者」になられてはどうでしょうか。

反対ばかりか市民活動ではないはず。

もう、行政にしてもらうばかりが公共ではない...そんな時代を感じて欲しいと思いますし、横浜市ほどの活発な市民活動が存在している地域であればこそ、図書館運営も市民の手でできるチャンスが指定管理者制度なのだと捉えてみてはいかがでしょうか。
Posted by まる3 at 2009年03月02日 19:44
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