2009年09月16日

大阪府市場化テスト監理委員会を傍聴してきました

【「市場化テストを考える府民の会」の船橋佳子さんから情報いただきました】

9月10日に大阪府市場化テスト監理委員会が3時間行われ、大阪府立図書館の対象業務の外部委託が決まりました。
この監理委員会のメンバー5人に図書館の専門家は入っていません。
専門家は自分たちの利益を守ろうとするからという考えを府は持っています。
担当部局=図書館が専門家の立場であるので、委員として図書館の専門家を入れる必要がないとの考えです。

1.対象範囲ですが、図書館における司書の知識・経験を必要とする業務を除くカウンター業務等です。
・カウンター業務(利用者登録、貸出・返却・予約等)
・レファレンスサービス(利用案内、所蔵調査、所在調査等)
・書庫出納
・資料の収集・整理業務(受入登録、書誌・所蔵データ管理、資料装備等)
・書架整理、蔵書点検、修理
・他図書館への協力図書貸出等
・生涯学習事業の実施・広報業務 等

2.市場化テストの対象範囲の人員は 常勤19人+非常勤42人 コストは 343,547千円です。

3.業者からの提案件数は6件ありました。

4.業者決定は今年中、年度内に引き継ぎ、業務開始は来年22年度4月からです。

5.高度レファレンス部分に関しては、今回は対象範囲から外れましたが、今後の範囲拡大の際には危ないかもしれません。
各委員の感想のなかで、高度レファレンスに対して以下のような意見(抜粋)がいくつか見られたからです。

・「南の島と島の間の距離を知りたい。」「電柱を利用したいが、どうすればよいか?」という質問に答えるのだが、半日や1日かけて調べて、さらに国レベルのデータ・ベースに載せるためにかかるコストを考えると、官のサービスとして質が高すぎるかとも思う。
府職員の時間給は約4,000円、退職金も入れると4,700円から4,800円になる。一人の人に何万円もコストになる。
それだけ行政コストがかかっているということになると、資源配分を図書館として考えるべきではないか。
資源配分としてそのコストで子どもたちの本の蔵書を増やし、読み聞かせボランティアを活用することも考えられる。
図書館として、より多くの人にベネフィット(利益)になることも考えてはどうか。委員会の結論を超える個人的な考えである。
職員が高度なレファレンスをすることを悪いと言っているわけではない。行政サービスは維持することが大事だ。

・高度なレファレンスは維持するという結論でよいが、私としても、いささかオーバースペック(仕様書以上に行う)かと思う。
有料でやるべきでないのかなということを問題意識として持っている。

・簡単に情報が入手できることは、本人にとってどうかなと思う。
それに、これだけのコストがかかっていることを、提示してほしい。

以上が報告です。

市場化テスト、名前を見ると単にテストするんだからいいのではないか?と錯覚をさせてしまうようなネーミングですが、これは本当に怖い制度です。
指定管理者制度のように議会に上程の必要性がありません。
市民の意見を反映させる場がないということです。
今回大阪府は府民目線で見れる第三者委員会として監理委員会を設け、委員会を公開して透明性を持たせたとしています。
しかし実際は、われわれ府民の声を入れてもらえる場は設定されていません。
府民のためのサービス向上のためと謳っているのにです。
posted by 発行人 at 00:00 | Comment(1) | ニュース | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 もっと、もっと多くの方が、レファレンスについての考えを発信し、議論してくださればと思っています。

 レファレンスの高度・軽易とわけることのナンセンスさは、府立図書館側も分かっていたので、当初は分けられないと主張していたのです。
でも、このことに固執すると、全てのレファレンスが市場化になりかねないと危惧されたので、戦略的に「簡易」を譲ることによって、図書館業務としてのレファレンスを守ろうとしたのです。
 今回は一定それが効を奏して、「高度なレファレンスは官で」ということになり、結果的には3Fの社会・自然系資料室及び4Fの人文系資料室を守り、計15人の人員も守ったということです。
 実際の対応では3Fや4Fのカウンターで、「これは簡易だから、他のカウンターに行け」ということにはなりません。

 今回は府立図書館の問題で、なんとか守れたけれど次は危ないし、図書館界全体に波及する問題なので、図書館界全体の問題として捉えてなければならないと思っています。
 レファレンスは図書館利用の基本的サービスであり、利用者の権利であり、図書館法17条に規定している「図書館利用に対するいかなる対価をも徴収してはならない」の範疇に入るサービスなので、監理委員会や橋下知事の主張は誤りです。

 ですが、行政サービスの効率化ばかりが求められ、受益者負担が当然という風潮の強い昨今、レファレンスは特別の人が受ける特別なサービスであり、「多くの図書館利用者には関係ない=有料化でもかまわない、あるいはそんなにお金がかかるなら、しなくてもよい」と考える一般利用者も少なくないと思われます。
 橋下知事の発言に「そうだ、そうだ」と頷いた府民は少なくないと思われます。
 現に普通の府民の中から、「橋下知事の発言はおかしい」という声は聞かれませんでした。こういう普通の人の考えが一番怖いと思います。
 こういう世論を変えていかなくてはならないのです。

 何も難しいことを聞くのだけがレファレンスではありません。
 利用者が求めている・探している資料につなぐためには、図書館として当たり前のサービスであることを多くの市民に知ってもらうための努力が図書館界には不足しているように思われます。
 専門家としての理論武装と合わせて、一般の人にも分かる言葉で図書館の役割、レファレンスの有り方を語っていかねばならないのでしょう。
Posted by 船橋佳子(市場化テストを考える府民の会) at 2009年10月30日 09:58
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