2009年12月14日

夢の図書館

勤務している図書館の中央図書館に、小学生の描いた「夢の図書館」が展示してありました。これを見ていると、じつにほほえましく、たのしい気持ちになります。

いくつか紹介してみようと思います。

海と山がつながった図書館。
ここでは海や山で遊びながら本が読めます。配架はテントで分けられていて、ゾロリの本のテント、図鑑の本のテント、まんがのテントに分かれています。僕は、山をのんびり歩くのが好きなので行ってみたいな。

動物がいる図書館。
図鑑が置いてあって、その前に図鑑に載っている動物がいます。楽しそうです。

巨大な本の図書館。
図書館自体が本になっています。利用者は、自分の行きたい場所にしおりをはさむとそこに行けるのです。うーん、前衛的ですね。

想像力がすばらしいと思いつつ、お前はどういう「夢の図書館」を描くのか、と自らが問われているかのようにも思いました。

図書館とは、社会の中での実践であり、何かをバイブル視してしまうことなく、柔軟に考えていかなければいけないな、と思います。
ただ、それは図書館の原則的なことを相対化するということではありません。

この小学生が描いた「夢の図書館」の中に、次のようなことがありました。
「だれでもかんたんにつかえる図書館」には、「大人も子どもも楽しく利用できる」とあります。

「本だなが動く図書館」では、小さい子どもから大きい大人まで、身長にあわせて、書架が動きます。高すぎて、本が取れないということがないのです。
誰もを対象にする第一線公共図書館の本質的なところを突いているな、と感心します。

夢の図書館は、このリンクの下のほうにあります。
https://www.library.city.nagoya.jp/oshirase/topics.html

公立公共図書館に勤務して、7年半が経過しました。
アタマもハートも硬直化しつつあるという自覚が出てきたこの頃、日々の現状の中で気持ちが折れそうになることもあります。
小学生の描く夢の図書館を見て、図書館業を廃業しない限り、日々の職務の遂行と、「夢の図書館」を想わなくてはいけない、と思った次第です。

(K.S.)


posted by 発行人 at 11:20 | Comment(0) | リレーエッセイ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。