2010年10月30日

高知県立図書館及び高知市民図書館の合築問題についての要請書

高知県立図書館と高知市民図書館の合築問題について、高知県知事、高知県教育長、高知市長、高知市教育長に要請書を送付しました。


2010年10月28日


高知県知事 尾ア正直 様
高知県教育長 中澤卓史 様
高知市長 岡ア誠也 様
高知市教育長 松原和廣 様

図書館問題研究会
委員長 中沢孝之


高知県立図書館及び高知市民図書館の合築問題についての要請書


 図書館問題研究会(略称;図問研)は住民の学習権と知る自由を保障する図書館の発展を目指して活動する図書館員、住民、研究者などによる個人加盟の団体です。高知県立図書館及び高知市民図書館の合築問題は、高知県の公共図書館の将来に重大な影響を与える問題であるため、高知県の図書館をより一層発展させる観点から以下のとおり要請いたします。

 高知県立図書館と高知市民図書館本館の新館整備について、本年8月24日の県市連携会議において追手前小学校跡地に一体的に整備(合築)することに合意したとの報道がなされました。8月20日付の「高知市立追手前小学校敷地への県立図書館・市民図書館の整備について−報告書」では、合築について、施設整備費と運営費の削減や利便性の向上をそのメリットとしてあげています。
 一方、8月23日に高知県図書館協会は「新県立図書館に関して単独整備を求める決議」を提出しており、県議会で不採択となったとはいえ「高知の図書館を考える県民の会」も7,200名以上の署名とともに県立図書館の単独整備を求める請願を提出しています。高知県民や県内図書館関係者が合築に反対する理由として、収蔵能力や駐車場など両図書館の機能を発揮するために必要な施設面積が確保されないこと、合築及び一体型の構想先にありきで県民や県内図書館関係者との議論が尽くされていないこと、異なった機能を持った図書館を統合することによる運営上の混乱等の諸問題があげられています。
 こうした、県民や県内図書館関係者の懸念は十分理由のあるものと考えられます。まず施設面積等の問題は、両図書館の機能を発揮するために十分な収蔵能力や駐車場の整備等が可能かどうかをよく検討され、追手前小学校跡地では不十分であればそれぞれ単独整備を模索すべきと考えます。
 また、両図書館の機能や組織理念が合築及び一体化によって曖昧になることも危惧されるところです。さらに、県及び市の図書館運営のための支出や職員配置が、それぞれ単独整備することに比べ過度に減額されることも懸念されます。今回の合築案は施設整備費及び運営費の削減を大きな理由としており、合築後の長期的な費用負担においても県と市が互いの支出をあてにするなど、単独館に比べ運営に関する自治体の責任が希薄となることが危惧されます。とりわけ、図書館の直接サービスは市民図書館が担う部分が大きく、県立図書館としての機能は外部から見えづらい(評価されにくい)ため、今後財政状況等を理由として図書館機能への県からの支出は限りなく縮減される可能性すらあります。これまで高知県の図書館に対する財政支出は、全国平均に比べても大変貧弱なものでした。合築後の県立図書館について、県の図書館支出が中長期的に十分措置されないのではないかという危惧が関係者の間にあることも、無理からぬことと考えます。
 そもそも県立図書館のあり方は、県の図書館政策によって基礎づけられるものです。全国平均と比べても決して十分ではない高知県の図書館を、県の施策によって長期的にどのように底上げを図るかを明確にし、そのために必要な県立図書館像を描くことが必要です。
 両図書館の合築は、今後数十年にわたって高知県の図書館サービス全体を左右するほどの大きな影響をもたらします。将来に禍根を残さぬよう、県民や県内図書館関係者と十分議論を尽くし、単独整備を含め両図書館の異なる機能が十全に発揮される方策を検討されるよう強く要望いたします。

以上
posted by 発行人 at 02:18 | Comment(0) | 声明・要請等 | 更新情報をチェックする
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