2010年12月13日

図書館道徳経序 その4

韜光第七
天長地久。天地所以能長且久者、以其不自生。故能長久。
是以聖人後其身而身先、外其身而身存。非以其無私邪。故能成其私。

図書館をとりまく環境の中でも、図書館協議会や友の会が長く続くことがある。これらの団体が長く続くのは、その構成員が真のボランティア精神にあふれている時である。

そこで、図書館のリーダー達がこれらの団体と関わるときは、彼らをひいきしていると見せずにひいきし、あくまでも図書館の外部団体として扱おうとする。彼らが真のボランティアとして働くとき、素晴らしい図書館ができあがるものである。

易性第八
上善若水、水善利万物而不争。処衆人之所悪。故幾於道。
居善地、心善淵、与善仁、言善信、政善治、事善能、動善時。
夫唯不争、故無尤。

よい図書館人とは水のようなものである。水は全てのものに利益をもたらして争うことがなく、一般の人びとがつまらないと思うところにいる。同様に、よい図書館人は住民にさまざまな利益を与えながら、それをあたりまえのこととして声高に主張することもなく、かならずしも高額な報酬を得ることはない。

その居住生活は大地のように落ち着いていて、心は淵のように落ち着いていて、与えるときは報いを求めることなく、言ったことは必ず実行し、何かを決定するときは常に平穏無事を心がけ、事を為すには能力の限りを尽くし、動くときには時にかなっている。
そのような人であれば、水のように争うことなく、他から欠点を指摘されることもない。

運夷第九
持而盈之不如其巳。揣而鋭之不可長保。金玉満堂莫之能守。富貴而驕自遺其咎。功成名逐身退天之道。

書架が一杯になったからといって図書館が完成したというわけではない。一つの専門に特化しても、その後の資料の買い換えや展開を怠っていれば、その専門性を維持することはできない。レア・ブックや貴重な古文書を持っていても、参考書やその他の二次資料が十分になければ、それらを利用できず、図書館として持っていると言うことはできない。高いサービス指標を達成しても、その分析を怠れば、いずれ没落しつまらない図書館になってしまう。高いサービス水準を達成した後はそれを敷衍し、他館や後代に伝えてより高いサービスを目指すのが、真の図書館経営である。

(つづく)

(T.T.)


posted by 発行人 at 13:57 | Comment(0) | リレーエッセイ | 更新情報をチェックする
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