2010年12月13日

学校司書のいる学校図書館の日常

「なんかおもしろい本ないん?」「先生のおすすめの本って何?」と学校図書館に来た子供たちはよく言う。が、聞かれると一番困る言葉でもある。

「おもしろい本」って? こわい話の本なのか。ミステリー・推理小説なのか。ファンタジー(物語)なのか。ノンフィクションで感動したいのか。楽しくて笑える本なのか…… その子が今、何を求めているのかを探るため「どんな本読んだ?」「何が好き?」と聞き返す。会話をしながら紹介した数冊の本の中から、興味を持った一冊を自分で決めて借りていく。

返却時には「おもしろかったよ。」「続きある?」「ほかには?」「いまいち。」といろいろな感想が…… その時にすぐ反応がなくても、何日後かに紹介した本を借りていく姿を見かけたりもする。「やったあ! しめしめ……」と心の中で私はにんまり。

勤務1年目、ラベル(請求記号)統一などの環境整備を図書ボランティア(保護者や地域の方)のみなさんに手伝ってもらい、年度末にNDC(日本十進分類法)による配置替えをして本の場所を決めた。すると、子どもたちや先生方は毎日利用するから、どんな本がどこにあるのかを自然と身につける。

4月の年1回のオリエンテーションではNDCやラベルの説明をする。5〜6年生には奥付も紹介して参考文献などでの引用についても説明する。リクエスト予約もきちんとできるようになっているから、将来どこの公共図書館でも利用できるのだ。

学校図書館がその機能(読書センター、学習情報センター、教員支援センター)を果たすようになるには、学校司書がいて利用者あってのこと。

校内で見つけた青虫を持ってきて「何の幼虫か知りたい」と調べに来た3年生の女の子。クルマが好きで図鑑の間違いに気づいた5年生の男の子。昆虫に詳しい職員も図鑑の間違いを指摘(どちらも出版社に問い合わせるとすぐ対応してくださった)。

「教室では書けない」と言って作文用紙を持ってきたので、話を聞きいろいろアドバイスしたら、ちゃんと自分で作文を仕上げた6年生の男の子(担任の先生が後で話してくださった)。悩みや自分のことを話してくれる子どもたち。クラスに溶け込めない子のほっとする空間でもあるのだ。

また、先生方へのレファレンスサービスは200%応えるようにがんばったので、1年目より2年目、2年目より3年目とだんだん増え、学校図書館の利用は1年目より2〜3倍にもなった。先生方も学校図書館へ関心や信頼を寄せ、全職員が読み聞かせをしてくださったり、毎月の「2・3が60読書運動」は大変であるにもかかわらず協力してくださった。

図書ボランティアのみなさんは本の補修や新刊本の受け入れ、掲示作成などの環境整備と朝の読書タイムでの読み聞かせ、昼休みのおはなし会などの読書活動に協力してくださった。

このように、学校司書が学校図書館にいるからこそ、先生方への支援、子どもたちへの細やかなサービスが充実する。

「育てる」とは短期間で結果が出ることではない。結果を求めるなら過程こそが大切であるのではないか。目先のことにとらわれず、人材育成する(=「生きる力」を養う)ことにこそ、未来がある。


学校図書館活用教育には、学校司書配置が急務である。

(香川支部 一藁)
posted by 発行人 at 14:31 | Comment(1) | リレーエッセイ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
うちの高校の図書館と同じですね。(うちは、前の全国大会で「赤ちゃん絵本から〜」で実在を疑われ物議を醸した高校です。)
高校に入って初めて図書館を利用する生徒も多いので。(県内には1学期に1度しか生徒が利用できない中学校の図書室もあります。)
「棚にある本は自由に読んでいいんですか?」と聞かれて(12月に)、こちらが驚いたり・・・。
クモやヘビの本をそのての生物が嫌いな子に見せるイタズラ坊主もいて、絹を引き裂くような叫び声が響くこともしばしば。
高校から見ると、小学校から図書館に親しんでくれているといいなと思う場面がちょくちょくあるので、県は違いますが小学校の図書館頑張ってください。
Posted by すだちくん@徳島 at 2011年01月02日 04:43
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