実は、いつも「多くの人が目指さないことを目指す」ことにしており、そして、この分野(接遇)は、ニーズがありながらも、専門家のような人は図書館界にいないし、マネジメントの一部でもある分野だし、図書館の館種、規模や性質に関係なく、どこでも存在する内容であることなどがその自信の根拠であった。しかし、これまでどこからも、一度もお招きをいただいたことはない(涙)。
接遇にしても何にしても、職員の自発性に基づいていなければ、そこには良いものは生まれない。それを私は「自発性の原則」と呼びたい。また、そのための研究・努力・実践が必要なのだが、意外とこれらマネジメント的なことは、真剣に取り組まれていないのが現状なのだ。特にこれといった実践や特徴、職員のスキルを持っていない図書館でも、図書館の基本理念とこのマネジメントだけで、かなり高い水準の図書館サービスができるのだが、日本ではマネジメントの価値は高くないようだ。
基本となる姿勢は、「smile(笑顔)」「communicative(意思疎通)」「spontaneity(自発性)」であろう。これらは誰でもできるし、予算とかも必要ないし、難しいことではない。でも、「なぜ、うちではできないのか?」と嘆く方がいらっしゃったら、そこには「自発性の原則」が欠けている可能性がある。
どこからこの原則を理解したかというと、ある日、ある時、ある人に「俺も酒を止めなければと思ってるんだけど、なかなか止められんのよ!」と言うと、「それは、あんたが本気にそう思ってないだけのことじゃな!」と言われてのことである。「あ、なるほどね!」と理解ができた。
そして、もうひとつ大切なことは、人は、誰でも、何度でも「酒を止めよう」とか「ダイエットしよう!」とか思うことができるということである。よく、「また、同じことを言ってるなぁ〜。もう聞きあきた!」と言うまわりの人がいるが、本当はそれを言ってはいけない。「おお、今度こそできるかもな!」と言ってあげるべきなのである。何事もダメでもともと、お互い様である。
東野さん、あれから、どこからも接遇研修講師のお呼びはないけども、ふたりで寂しく、図書館の接遇とマネジメント研究会をつくりましょう。そして、もしこの先にお呼びがあれば、真っ先に東野さんに報告しますね。「ついに、お呼びがかかった」と。
(福山市新市図書館 明石浩)
福山市新市図書館の『アイデア企画展』・「新市発・自転車日帰りの旅写真展」
すべて、携帯電話で撮った写真の展示会だ。マスコミの取材に熱心に説明しているのは、写真提供者の高橋寛さん。実は、自分のところの会社が数年前に廃業。それで、自動車まで売って、「本当は苦しくても、図書館のおかげで元気がでる!」と言ってくれている。
これが素晴らしい!!
前例のないことだからこそ『初』のくる可能性がある。
挫折に負けず挑戦し続ける、そこにこのユーモアある励ましの言葉を、他人にも自分にも掛けていきたい。