2009年09月24日

ホワイトハウスという海外ドラマ


ザ・ホワイトハウス 〈フォース〉 セット1 [DVD]

ザ・ホワイトハウス 〈フォース〉 セット1 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: DVD



 ザ・ホワイトハウスという外国ドラマがNHKで放送されていました。
 数年前に放送されたシーズン4の第2回「アメリカの挑戦(後編)」と第3回「正義と罪」に、大統領のスタッフである次席補佐官と広報部長(一般教書演説のスピーチライター)が地方のバーで偶然会った、大学進学を控えた娘をもつ父親から聞いた「学費に苦慮している」との話から、学費を全額税控除する政策を考えつく場面があります。
 シーズン4は大統領2期目の再選キャンペーンがスタートし、株式が暴落したところから始まります。
 もちろんリーマンショックではありません、ブラックマンデーかなんかだと思います。

 地方遊説で置いてきぼりにされた広報部長、次席補佐官と秘書の3人が、地方の人たちに助けられワシントンへ帰ってきた翌日に、次のような会話があります。
 「子どもを大学に入れることは、未来の労働力への投資であり、犯罪の減少にもつながる。国は(大企業経営者の高額な)ボーナスより、大学の授業料を控除対象にするべきだ・・・大学の授業料は無条件で100%・・・資金源(予算)を探さないと・・・」

 アメリカは「政策と財源」を大統領府が考えるのだったなと思い出しました。
 我が国の民主党新政権は、予算編成を省庁の積み上げでなく、トップダウン云々でと言っています。
 ドラマを見ていた当時は、ホワイトハウスで働く人たちがこんな風に働いているとしたら、百年たっても日本の政治は追いつかないだろうと思いました。
 しかし、今回発足した民主党はその方向を目指そうとしているように見えます。

 OPACで検索しましたが、このビデオはまだ図書館の蔵書に入っていないでしょうか。
 エミー賞を何度も取っているドラマですので、すでにご覧の方も多いと思いますが、まだの方は是非どうぞ。
 大統領秘書の採用秘話を聞き出せない大統領の会話もいいし、大統領スピーチも感動ものです。

PS:今スカパーで放送されているシーズン7は、オバマ大統領がモデルと言われ、ヒスパニック系の大統領候補の選挙真っ最中です。
(Kan)
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2009年09月21日

図問研と政権交替

 図問研は昨年、代表交代しました。
 「ただの看板かけかえじゃないか」という声も聞こえてきそうですが、会員減少、未曾有の不況、図書館の民間委託や指定管理者制度導入に伴う様々な弊害、図書館の自由に関する問題、などなど次々と難問にぶち当たり、頭を悩ませながら何とかそれらを解決しようと必死にもがいています。
 幸いにも多くの方々が助け舟を出してくれているので進んでいますが、この先も困難な運営が予想されます。ひとりでも多くの方の支持をお願いします。
 支部活動の活性化や新支部結成も会員一人一人が動いて成り立っていくものです。ぜひ行動してください。

 図問研ですら難局目白押しの現在、政権交代をうたった国政はもっと大変です。
 国民の期待もかなり大きいことが、連日の報道でもよく分ります。
その中で図書館をめぐる様々な政策は一体どうなるのか? あまり取りざたされていませんし、前面に出てくることもありません。
 こういう時代だからこそ図書館の存在や役割が重くなるはずなのに残念でなりません。

 ですから、図書館が置かれている状況や図書館の役割などの説明とお願いをしに、近日中に永田町まで常任委員が行ってきます。
 福岡の図問研大会では、多くの政党や関係議員が図書館に対して深い理解と熱い思いのこもったメッセージを寄せてくださいました。
 与野党問わず、図書館の重要性を認識してくださっている方々がいることは非常に心強いことです。
 皆さん忙しい方たちなので、図書館のことを忘れてしまわないように、いつでも頭の片隅に置いておいてもらえるようにお話をしてきます。
 みなさんの中で、これは伝えてほしいというものがありましたら事務所までFAXか手紙をください。

 話題はもう一つ。新型インフルエンザが流行中です。
 各自治体のインフルエンザ対策会議の指示に従うほか、各種団体との情報交換・連携を進め、利用者を守る体制を強化しましょう。
 個人では体調管理に心がけることが肝心です。
 図書館界でも今まで経験のしたことのない事態です。慌てず騒がず、冷静な対処と情報収集をお願いします。

(委員長 中沢孝之)
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2009年09月03日

祖父(母)の戦争体験

 お盆の頃になると、高校野球そして、30年以上前の自分が小学生だった頃、母方の祖父母の戦争体験を聞かせられたことを思い出す。

 祖父はアルコールが入らないと口が滑らかにならず、普段は祖母の言われるまま。
 そんな祖母が、うるさい蝿をハエタタキで無造作にはたきながら、戦時中の貧しかったことや食べ物のはなし、空襲のこと、自分の戦争体験を誰に促されるともなく話してくれた。
 民話のふるさと、遠野の出身なんだから、昔話をしてほしいなあと思いながらもなんとなく聞いていた。

 その中でも印象的だったことが、当時、鉄道マンだった祖父が赤紙に従い、フィリピンと満州に出兵していたことだ。
 フィリピンから戻りたての頃は、栄養不足から仕事中にマラリアが発症し、ガチガチに震えながら仕事仲間にリヤカーや雨戸で運ばれたこと。
 敗戦で満州から撤退する際、貨物車両で立ちっぱなしの移動中に敵の襲撃にあい、まわりの仲間が傷を負って倒れたり、念仏を唱える人や親の名前を呼ぶ人がいたりのなか、難を逃れたあとに荷物を点検したら、リュックの中の飯ごうに銃弾の穴があったこと。
 無口な祖父の代わりに祖母が話してくれた。

 襲撃の最中、祖父が祖母の名前ではなく母親の名前を呼んでいたことに、彼女はいたく失望したらしい。
 そんな愚痴ばなしを聞いている祖父は、総入れ歯を外したクシャクシャの顔を必死に堪えて、肩を小刻みに揺らす。
 それを見た祖母が「えらすぐねえごだあ、なあ」(にくたらしいこと、まったく)と祖父の膝をたたく。
 堪え切れずさらに、祖父の肩が揺れる。

 お盆に、祖母にひ孫を見せたくて墓参りをした。
 もう、祖母も90歳になる。
 さいわい痴呆にはなっていないが、数年前に乳がんをわずらって以来、体力が年々落ち気味だ。
 でも、体調がましな時は畑仕事に出かけて「あー怖えー」(疲れる)とのたまう働き者である。
 このご時世、自分も見習って、気持ちだけでも前向きに行きたいものです。

(Y.K.)
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2009年08月17日

八月、いのちを考えよう

 福岡支部のみなさま、全国大会成功おめでとうございます。そしてお疲れ様でした。
 個人的には久しぶりの運営委員で、病み上がりの身には体力的に厳しいものがありましたが、宿・温泉・料理を含め会場全体がホスピタリティーに溢れた3日間を満喫することができ、「ほんものの図書館」への熱い思いを共有することができました。

 帰宅後は、テレビのニュースで連日のように九州地方での大雨の被害情報を伝えており、胸を痛めておりました。
 当地も6月は好天に恵まれ、一挙に夏本番かと思われた7月でしたが、平年の倍以上の降雨量と日照不足が続き、農作物にも悪影響が出始めています。
 ニンジン・ジャガイモなど根菜類は、品薄のため値上がりを続けています。
 このままでは、庶民の食卓にはカレーライスが高嶺の花となってしまいそうです。
 小泉改革、そしてリーマンショック以降大幅に落ち込みを続けている北海道経済に更なる悪影響がもたらされるのではないかと危惧しているところです。

 さて、これを書いている8月15日は64回目の終戦記念日。
 個人的には戦争責任をうやむやにしてしまう「終戦記念日」は大嫌いで、明確に日本帝国主義の「敗戦記念日」と呼称しなければならないと思っています。
 オバマ大統領のプラハでの核廃絶にかかわる発言の影響もあり、マスコミでも戦争と平和そして核問題への積極的な論調が目立っています。
 図書館法第3条にあるとおり、公共図書館は時事に関する情報及び参考資料を紹介し、及び提供に努めなければならないのであり、私の勤務館でも入り口近くに机を置き、8月1日から小さなコーナーを作りました。

 タイトルは「八月、いのちを考えよう」。
 はじめは関連する絵本だけの展示でしたが、すぐにあらかた借りられてしまったので、今では歴史やノンフィクションなども並べています。
 ハンス・ペーター・リヒターの3部作『あのころはフリードリヒがいた』『ぼくたちもそこにいた』『若い兵士のとき』が書架に戻っていたのでコーナーに並べたところ、夕方に中学生らしき少女が3冊とも借りていってくれました。
 私は心の中でやったと叫び、その少女に感謝しました。
(M.M.)

若い兵士のとき (改版) (岩波少年文庫)

若い兵士のとき (改版) (岩波少年文庫)

  • 作者: ハンス・ペーター・リヒター
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2005/07/16
  • メディア: 文庫



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2009年08月10日

おもしろうてやがて悲しき鵜舟 (うぶね) かな

 福岡支部全国委員のY.H.です。
 全国大会(7月5日〜7日)では大変お世話になりました。
 みなさんはすでに日常生活に戻られていることでしょう。

 福岡支部のメンバーは、最終の大会実行委員会を8月2日(日)にパーレンス小野屋で行いました。
 福岡支部にとっては、大分県湯布院での支部総会(2007年8月)から全国大会への道は始まりました。
 個人的には、大会のことを考え続けた2年間だったので、終わってしまい寂しさで一杯です。

 引き続き行われた昼食会においては、よく飲みよく食べたこともあり、ようやく大会終了モードになりました。
 残念ながら大会には参加できませんでした小柳屯さんご夫妻を囲んでの会は、福岡支部の伝統を感じさせるものでした。
 会の雰囲気は写真のとおりです。
昼食会.jpg

 ちなみに大会期間中に中止していた名物の鵜飼いは再開していました。

 最後にひとこと。
 小野屋には大会中に書いた七夕の短冊が写真のようにまだ残っていました。

七夕の短冊.jpg
 「有意義な大会になりますように」

 さて、私の願いは叶いましたでしょうか?
 さぁ来年の全国大会は、委員長の地元「草津温泉」だぞ〜。

(Y.H.)
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2009年07月08日

つぶさに見よう、学校図書館。

 公共図書館の児童サービスの担当をしている。
 学校の団体貸出の利用も多い。
 自治体内の学校図書館には専任の司書や司書教諭の配置がされているところはほとんどなく、学校関係の団体貸出は、図書担当の先生方や学級担任が業務の合間に、あるいは休日に来館して利用しているのが現実である。

 今年度は数校に「読書支援員」が配属されるようになった。
 学校図書館に本も人も足りない、しかも資料購入費も足りないというのは両者の共通認識であるし、新聞にも何度も掲載された。
 でも、この現実はこどもたちや保護者には伝わっていないのではないかと思うことがある。
 保護者にとっての学校図書館のイメージは「学校に図書室がある、じゃあ、当然必要な本もそこにはあるはず」というものではないだろうか?
 思い込みと言ってもいいかもしれない。

 このことは、多くの自治体でそうだと思う。
 本当なら「学校図書館に本が足りない」ということは相当切実なはずだ。
 けれども、6年間とは言わないまでも、わが子がこの1年学ぶことのできる本がそこにあるのかどうかを意識している大人は少ないような気がする。

 いちど学校図書館に足を運んでみて欲しい。
 そして、ひとつひとつの棚にある本に触れながら、つぶさに学校図書館を見てみてほしい。
 そこには何年もの資料の蓄積と利用されたあとが見えるはずだ。
 ひとりでもいいし、誰かといっしょに見てもいいと思う。
 少しくらい雰囲気が暗くても、並び方が乱れていてもそれは直すことができる。
 でも、わが子が読むのに必要なだけの本があると思えるかどうかは確認してみて欲しい。

 大変なことのように思えるかもしれないけど、指で本に触れながらたどってみるだけのことだ。
 それだけで、棚の前で並んでいる本をじっと見るより多くのことが見えてくる。
 そして、「いま」使える資料がどれだけあるか、自分が小学生だったとして読みたくなるような、あるいは調べて役に立ちそうな資料がどれだけあるか、もし借りてもいいですよって言われたときに借りたい本がどのくらいあるか。

 考えながら見てみてほしい。
 そのことについて、まずはみんなで話をしたい。
 それが切実な思いである。

(A.M.)
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2009年06月29日

「こども読書県S」を目指して

 私が住んでいるS県では、今年度から5年間「子ども読書県S」をキャッチフレーズに、いろいろな事業が展開されます。

 その中でも、全国的に珍しい取組みが、学校司書などを小中学校に配置する市町村を財政支援するもので、県下全347校が取り組む事になりました。
 ただし、学校司書の配置が難しい市町村は有償ボランティアでも可としています。
 この有償ボランティアは全額補助になるため、全体の6割がこの有償ボランティアを選択しています。
 また、県立図書館が学校図書館司書などの初任者研修を県内各地で実施し、人材育成もしています。

 県立図書館も大きく変わりました。
 祝日や月末の開館、開館時間延長などを行い、県民に使いやすい図書館になりました。
 7月からは図書館システムが更新され、市町立図書館とのコミュニティサイトや、横断検索からの直接予約、パスファインダー機能など、私たち市町立図書館にとっても使いやすい県立図書館になる予定です。
 これらは、直営を堅持し、指定管理者制度を導入しないための対策でもあります。

 7月5日から開催される、図書館問題研究会全国大会の学校図書館分科会では、今回の事業などについて報告もあります。
 まだ、参加申し込みはできます。
 みなさん、ぜひ全国大会へ参加しませんか?
 日常の業務への役立つヒントを持ち帰れますよ。
 福岡で会いましょう!

(M.T.)
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2009年06月22日

地域づくりに役立つ図書館像のテーゼ 政策対象との「関係性をつくる」ということについて

 「地域の情報拠点としての図書館」という表現は、自治体政策の中でいまひとつその存在意義を主張できないでいた公共図書館にとって、ある種のマジックワードとしての効用があるように思います。
 個人や地域社会、あるいは自治体にとって、厳しさを増す現代社会から喧伝される「自己判断」や「自己責任」という壁を克服する手段として、公共図書館の情報提供能力が有効であるという主張は、それなりに説得力があります。

 しかし、実際にそうした情報を、どの程度どのような方たちに向けて発信すれば、有効な便益をもたらすことができるのかは、それほど簡単な仕事ではありません。
 たとえば、「自立した住民による主体的、自主的なまちづくりを」という言説は、「市民自治」というフレーズを伴って、自治体の総合計画や地域政策などの文献に多数見られますが、そうした人々への有効な資料提供とはどのように行えばいいでしょうか。

 問題提起が広すぎるのでもう少し焦点を絞って、「地域コミュニティを元気にするための情報提供」としてみましょう。
 地域政策やまちづくり事例集などの資料をかき集めて「まちづくりを考える」というコーナーをつくることはすぐにできるでしょう。しかし、それはその地域にとって求めている情報とどの程度合致するでしょうか?
 具体的なニーズや現状分析を欠いたこうした資料提供は、図書館員の自己満足という批判を浴びる可能性があります。
 NDCで言う336(経営管理)と673(商業経営)の資料をとりあえず集めて作った「ビジネス支援コーナー」が批判されるように、実は「まちづくり」のコーナーも、有益性や効果測定などを無視して実施されているものが多くはないでしょうか。

 公共図書館がこうした地域の現実問題について「課題解決支援」と位置づけてサービスを展開するには、それなりの現状分析とニーズ調査、そしてその施策がどの程度効果を発揮しているかの検証を行う必要があると思います。

 それらはまず、
1 統計資料など各種データによる地域社会の状況把握
2 市民要望に関する行政資料や利用状況などによるニーズ把握
3 直接、市民や地域づくりにかかわっている関係者からの意見聴取
などを行い、要望総体のイメージを明らかにしたあと、それに有効な施策の仮説を立て、実行し、評価検証をし、軌道修正をするという、いわばPDCAサイクルを実施することが重要です。

 その中で、私が最も大切だと感じていることは、政策対象との「関係性の構築」ということです。
 この関係性について考える時に、非常に重要な見方を紹介したいと思います。
 政治学者の牧田義輝は、「自立した住民による自主的主体的な…」という言説は、幻想にすぎないと主張します。
 牧田は、どこにいるか分からない「規範的な」市民像をもとに、住民参加や協働論を説いても意味がない、つまり「住民」とは、もともと自分勝手で自分の都合で生きている人がほとんどで、そうした人々が、どのような動機付けや必要で「動く」のかという、人間行動学的な視点から地域政策や協働論を語らねば、行政職員の失望や疲弊は終わらない、という主旨の発言をしています(1)
 (1)牧田義輝『住民参加の再生 空虚な市民論を超えて』(勁草書房 2007年 pp43-124)

住民参加の再生―空虚な市民論を超えて

住民参加の再生―空虚な市民論を超えて

  • 作者: 牧田 義輝
  • 出版社/メーカー: 勁草書房
  • 発売日: 2007/06/19
  • メディア: 単行本



 これは地域で住民参加を仕事としておられる行政職員にはリアルに響く主張だと思います。
 牧田はそのあと、協働施策がうまく運ばない理由に、「住民の側の情報不足」と「住民の不勉強」「マスメディアによる偏重情報の悪影響」を挙げています。
 こうした分析は、公共図書館による情報提供の政策的有効性を後押しする言説だと思いますが、それはさておき、「関係性の構築」がなぜ重要かというと、
1 ニーズ把握と施策効用の測定には不可欠であること
2 実際に地域の課題を見つけて「動き」をつくる担い手をつなげる
という2つの側面です。

 具体例でお話しすると、私の勤務する地域は典型的な中山間地で、産業停滞と人口減少に悩んでいます。
 そうした課題解決施策には、外部から経済主体を呼び込むか、内部資源を活用して活性化するかという大きな選択がある。
 (それらのミックスも含めて)さらには、定住者を増やす施策なのか、グリーンツーリズムのような観光資源を整備してその担い手を外部から呼び込むのか、あるいは、地域資源をソーシャルネットワークキング(今はやりのSNS)で活性化し外へ売り込んでいくのか、など、様々な戦略選択がありえます。
 そうしたニーズを掘り起こすために「関係性の構築」が必要だと考えます。

 そこで、逆説的な言い方をするのですが、実は、こうした「関係性」をつくってから具体的な事業(調査や学習、計画策定など)を展開するのではない、ということです。
 何もないところから、関係性をつくることは容易ではありません。
 特に、地域外から入って図書館をやっている我々のような「他所者(よそもの)」はなおのことです。

 様々な情報資源からとりあえずの仮説を立てて具体的な「事業」を展開して、そこに集った人々の交流によって「関係性」ができる、ということを体験的に理解しました。
 そこでは先に述べた「図書館員と住民」、「図書館員と行政職員」、「住民と行政職員」、「住民と住民」という関係性が生まれます。
 その先は、行政職員と住民、住民と住民の関係性の成熟によって当該関連施策が動き出せばよし、動きが鈍ければコミュニケーションを誘発する事業をサジェストする、といった具合で「関係性の構築」をフォローします。

 以上が、私が考える「地域の情報拠点としての図書館」の施策モデルです。

 情報が本当に生きるためには、必要な情報をしっかり捉えることと、それが役立つコミュニケーションの場を提供すること、これがセットで初めて「情報提供」が機能するのではないかと思います。
 「それは図書館の仕事か」という声が聞こえてきます。では、「どこの仕事」なのでしょう。

 今は一時の隆盛にはないですが、かつて米国や英国で試みられたコミュニティライブラリーの実践は、上記のような「関係性の構築」ということに親和的だったこと、そして現代においても、菅谷明子が紹介した『未来をつくる図書館』(岩波書店 2003年)で描かれる公共図書館の地域サービスは、そうした必要を感じさせてくれる実践だと感じます。

 「関係性(マンパワー)が事業(情報提供)をつくるのではない、具体的な事業(情報提供)が関係性(マンパワー)をつくる」
これが私が考える、地域づくりに役立つ図書館像のテーゼです。

(滋賀支部 嶋田 学)
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2009年06月08日

我是愛国館員

 静岡県は浙江省と友好提携を結んでおり、2007年はその25周年ということで各種交流事業が行なわれました。図書館関係では、浙江省の浙江図書館から静岡県立中央図書館に職員が半年間研修で派遣されて来ました。

 近年、中国では大都市に非常に大規模な図書館が数多く建設されています。大都市にふさわしい大図書館を、といった考え方から文化施設としてのモニュメント的要素が重視されているようにも感じられます。

 浙江図書館も大変大きな図書館で、とりわけ古典籍の収集では中国で五指に入るといわれています。浙江図書館は、図書館の面積、資料点数、専門職員数などの点で静岡県立中央図書館の数倍の規模で、職員の専門性も確保されており、正直なところ研修に来てもらっても学ぶところなどあるのだろうかと思ったものです。

 研修にいらしたYさんは大変優秀な方で、「日本の図書館統計や電子資料収集には準拠すべき全国的規準が策定されているか?」といったすぐには答えられないような鋭い質問もされていました。

 研修の最後に日本の図書館についての報告を発表してもらいました。大都市圏以外にも全域サービスがある程度進んでいる点や、相互貸借の体制が県域で整備されている点などが日本に学ぶべき点として認識されているようでした。
 日本の図書館について提言することは?との質問に、予算上の問題で製本できていない雑誌の例をあげ、「日本は図書館にもっとお金をかけたほうがいいです」との言葉があり、職員一同深くうなずいてしまいました。

 そして、日本の図書館で最も印象に残ったことは何ですか?との質問には、職員が大変まじめで誠実に仕事をしていることをあげました。これは学ぶべき点としてもあげられていて、正直なところ職員の態度ぐらいしか学ぶべき点を見出せなかったのではないか、とも思ってしまったのですが……。
 職員がまじめに仕事をしているという印象は、繰り返し述べられていたので、あながちお世辞でもないようです。これは中国と日本との労働観の違いもあるのかもしれません。中国では仕事は定時に終わらせるもので、残業するのは生産性が低いと見られるという話も良く聞きます。私の職場も残業している職員は多いですから、それがまじめな仕事ぶりと受け取られたのかもしれません。

 そして、このような誠実な仕事ぶりを評して、Yさんは発表の際に「日本の図書館員は大変まじめで愛国的である」と述べました。私はこれを聞いて、地方自治体の職員だから「愛郷的」(愛自治体的?)ではあっても「愛国的」という仕事上の意識はないなー、と思いました。
 日本では「愛国的」という言葉はある種の政治性をもちますが、中国では国民と統治機構の峻別という考え方は一般的ではなく、まじめに仕事をする公務員が素朴に愛国的と賞賛されるのでしょう。
 一方、アメリカでは図書館員が「愛国者法」との闘いを繰り広げていますが、ヴォネガットに言わせれば、「私の愛するアメリカ」を防衛している真の愛国者は図書館員だということになるのかもしれません。

 図書館問題研究会やその会員をサヨク的だと認識している方もまだ一部にいらっしゃるかもしれませんが、これからは「これでも愛国的図書館員と呼ばれたこともあるんですよ」って言おうかしら。

(静岡支部 新)
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2009年06月04日

図書館には何ができるか〜「衝動殺人 息子よ」の実話を調べていて思ったこと


衝動殺人 息子よ [VHS]

衝動殺人 息子よ [VHS]

  • 出版社/メーカー: 松竹ホームビデオ
  • メディア: VHS



 横浜市中央図書館では今、郷土資料担当が開港150周年記念イベントとして「ヨコハマDEKIGOTO展−開港から150年間の事件簿」(6月1日〜8月16日)という展示を行っている。
 横浜で起こった様々な事件で、開港からの150年を振り返ろう…という企画で、各事件の裏付け確認のための調査を係員総出で行った。
 私も「鶴見事故」「メリケンお浜殺人事件」など硬軟取り混ぜた事件を担当したのだが、その中でとても印象に残ったのが「鶴見衝動殺人 犯罪被害者支援のきっかけに」という記事だった。

 それはこの国で初めての、犯罪被害者による運動の始まりだった。
 このことについて、弁護士の岡村勲氏(全国犯罪被害者の会・代表幹事)は下記のように書いている。

「わが国における犯罪被害者運動の草分けは、市瀬朝一氏であろう。
 昭和41年、最愛の1人息子を通り魔に殺害された市瀬氏は、犯罪被害者運動に生涯、全私財を捧げ、全国の遺族を訪ねて回った。
 その結果、257名の遺族、被害者が、横浜市鶴見区の公会堂に集まって「殺人犯罪撲滅推進遺族会」を結成した。昭和42年6月4日のことである。全国の犯罪被害者が、初めて一堂に会したのである。
 市瀬氏はその後、「被害者補償制度を促進する会」と会の名称を改め、大谷実教授とともに、被害者補償制度の必要性を訴え続けた。その活動は漸く各方面で認識されることとなり、昭和50年7月2日には衆議院法務委員会で取り上げられ、参考人として補償制度の必要性を強調した。
 失明、病床のなか「補償制度を実現するまで、せめて2年間生かせて下さい」といいながら、昭和52年1月16日、逝去された。犯給法が制定されたのはその3年後のことである。」
 http://www8.cao.go.jp/hanzai/suisin/kihon/10/okamura.pdf

 市瀬氏の活動はルポルタージュとして世に問われ(※1)、木下恵介監督によって映画化された(※2)。また、氏を追悼する自費出版物もある(※3)。

※1 『衝動殺人』佐藤秀郎/著、中央公論社、1978年

※2 【衝動殺人 息子よ】1979年 解説・あらすじ(goo映画より)

※3 『もう泣き寝入りはご免だ! 犯罪被害者救済にかけた男の半生』
     犯罪による被害者補償制度を促進する会/編・発行 1978年

 しかし、それらを読みながら私は全く別のことに思いを馳せていた。それは、彼が一から始めたという法律の勉強のさ中で、一度でもうちの図書館を使っただろうか…ということだった。
 市瀬氏は、「独学で法律の勉強をするために、工場を売ったお金で本を買いまくった」と佐藤氏のルポに書かれていた。
 そして、本をあれこれ読み進めるうちに、「加害者に対する法の庇護は厚いのに、犯罪被害者に対する支援という考え方が法の世界には全然ないのに驚き、犯罪被害者を支援する法律を国に作らせよう」というところまで自力で辿り着いた。
 ずっと独学で勉強と活動を続けていた彼が初めて法律の専門家の協力を得られるようになったのは、昭和49年の三菱重工爆破事件がきっかけで、被害者の会を立ち上げようとしていた大谷實教授のことを報道で知り、自分で連絡を取ったからだ。

 どの本が有用か、図書館で選べば費用も安く済み、そんなに時間がかからなかったんじゃないだろうか…と考えた。もっと早くに法律家と出会えなかったんだろうか…とも。
 少なくとも1976-77年に、大谷氏は犯罪被害者についての論文を発表し、著書を書いている。もちろん、当時はデータベースもインターネットもなかった訳だから、私に簡単に検索できたとは思えない。
 けれど、「情報の探し方」を彼が知っていたら、亡くなる前にもっと先に進めたのではないか、そう思わずにいられない。それほど知識と情報を求めていた人に、当時のうちの図書館は何もできなかったんじゃないか、という疑念を覚えざるを得ないのだ。

 業界の先輩には「アメリカなら図書館で資料を積み上げて調べ物をするシーンが1カット入るところだよね」と言われた。私もそう思う。そんな時、きちんと使おうと思われて、使われて役に立つ図書館だったら、図書館業界は現在のような事態=次々と導入される指定管理者や委託・派遣、資料費減=には陥っていなかったんじゃないか…という自戒を込めて。
 今からでも遅くないから、独力で何かを為そうと思い立った人がいたら「図書館はお役に立ちます」と伝えたい。そのためには、どんなPRができるだろうか。そして、実際に使える蔵書を揃え、使われる棚がある図書館になろう。適切な情報収集の助言とお手伝いができる司書になろう…と、改めて肝に銘じた。

(横浜市中央図書館 吉田倫子)
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2009年05月25日

図書館友の会のこと

 5月25日、日本図書館協会にて図書館友の会全国連絡会(通称 図友連)の第3回総会が開かれる。
 翌26日には文科省、総務省へ大臣宛の要望書を届けるとともに、衆参国会議員へ図書館の振興を訴える要請を行う。

 文庫活動、読書会、図書館づくり運動など、図書館をめぐる市民活動の歴史は長い。
 申し合わせたわけでもないのに、全国各地で図書館を応援するための多様な市民団体が生まれ、中には20年、30年と、長年地道な活動を続ける団体も少なくない。
 『図書館年鑑』に記載されている市民団体一覧を見ると、この国には数百もの図書館友の会が存在しているのがわかる。

 しかし、互いの連携は限定的で、図書館友の会が全国的な広がりをもつことはかつてなかった。
 おそらく潜在的に全国ネットが求められていたとは思うが、それぞれが地元の活動で手一杯ということもあり、なかなか実現できなかったともいえる。

 逡巡していた市民がその動きを模索し始めたのは、地方自治法が改定され、図書館への指定管理者制度導入が取りざたされ始めた2003年暮れのことである。

「公立図書館の土台をくずしかねないこの法律の問題の根源は、図書館文化がこの国に根付いていないことにある。図書館とはなにか、できうる限り多くの人に訴えて共有していかなくては本当の解決にはならない。特に法律をつくった人たち、それを良しとした人たちに向けて声を届けていかなければ。
 公立図書館は税金で運営管理されている公共施設なのだから、未来の図書館の在り方の最終責任は納税者である市民にある。国へ声を届けるためには各地の市民が手を携える全国組織が必要不可欠だ。」と、市民の動きが始まった。

 待ったなしの状況下、十分な準備を経ることなく2004年4月に発足したこの会は、試行錯誤しながら自転車操業で体裁を整えていった。
 発足して2年目の2006年、ようやく念願だった国への要請行動が実現した。
 以来、毎年1〜2回、図書館の所管である文科省、指定管理者制度等、行革推進を所管する総務省へ要望書を持参してきた。
 同時に図書議連、活字文化議連、子どもの未来議連、文教関係の委員会所属議員を中心に、衆参の国会議員に図書館をアピールするべく面談を続けている。

 この会の強みは、市民だけでなく、図書館OBや現職司書も発足当初から一緒に行動していることにある。
 様々な立ち位置で議論し、補い合って行動することで活動が何倍にも膨らみ、厚みを増しているのが実感される。
 どんな立場の方もいずれはみな一人の市民。そしてありがたいことに市民稼業に定年はないのだ。

 図問研の全国大会では、毎年図友連のミニ交流会を開かせてもらっている。
 北海道から沖縄まで、全国にちらばる仲間たちにとって日ごろの情報交換はメールに頼らざるをえない中、大会に便乗してオフ会がもてることはとてもありがたい。
 今夏56回目を迎える図問研の歴史に比べれば、図友連は懸命にハイハイをする赤ん坊のようなもの。図問研にはこれからも暖かい支援をお願いしたい。

(C.A.)
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2009年05月18日

指定管理者制度図書館は住民のために本当にいいのか

◆5月1日、練馬区立南田中「指定管理者」図書館が開館
 練馬区では12館目の地区図書館である。小学校と隣接しており、雨の日でも子どもたちは濡れずに図書館へ来ることができる。
 また、学校図書館支援員を管内(図書館のサービスエリア内)6校に1人ずつ配置している。
 年間の委託料約1億3千万円、館長は元都立中央図書館の協力課長(全公図事務局担当)でお役人である。
 2階建て延床面積は920.03平方メートル、蔵書は6万6千点。1階が一般、新聞・雑誌、閉架書庫(約1万冊収容)。2階が子ども室、青少年、集会室などである。
 受託会社はTRCで社員は6人くらいである。

◆これからは非公務員型の人事管理システム
 慶応大学の高山正也氏は、公務員の人事は一定サイクルのローテーションによって昇進を保障する制度であるため、「長期間の同一業務への従事による熟練」と高度の能力保持は不可能である。
 一方、図書館の専門的業務は「反復的業務経験により培われた習熟した熟練能力に依存」しており、「公務員型の人事管理の下では、熟練・習熟した職能の担当者の処遇は難しい」。
 したがって、「熟練・習熟した高度な専門能力を保持して、なお高い処遇の得られる道は、公務員型の人事管理からの脱却しかない。すなわち、解決策は非公務員型の人事管理によるならば、可能であるということである。
 このためにはこのような高度な専門能力を有する人たちを十分に処遇できる非公務員型の人事管理システムを持った組織が図書館業務を請け負うことが必要となる。」
(高山正也・南学監修『市場化の時代を生き抜く図書館 指定管理者制度による図書館経営とその評価』時事通信社 2007.11 p.12)

市場化の時代を生き抜く図書館―指定管理者制度による図書館経営とその評価

◆現場の実態は
 東京23区では既に指定管理者制度による図書館が開館しているが、区民は図書館が夜遅くまで良いサービスをやってくれて、直営より廉い経費でやってくれるのなら大変結構である、と誰でもが思わされている。
 特に議員や行政の責任者たちは前年よりも予算を数パーセント安くしたので効率の良いサービスができたと得意げに宣伝している。

 その陰で、労働者たちは低賃金年収200万円以下で働かされている。
 図書館で本当に働きたい若者は、正規職員になれないためTRCや人材派遣などの受託会社に入って低賃金で図書館の仕事をやっている。
 そこでは長期の運営計画などは立てられず、選書もサービスもお客様次第で、ひたすら施主である役所(図書館に配属されている正規職員)のご機嫌を損ねないようにお客の暴言や無理難題に黙ってニコニコ応対している。
 その仕事のストレスと長時間の肉体労働で心身ともにくたくたになって毎日をこなしている。それでも図書館の仕事をしたいため身を削って働いている。

 指定管理者を決めるのは、かたちはプロポーザルだが実態は金額である。
 コストをできるだけ下げるため、館長は退職後の経験者又は図書館にいたことがある管理者で、チーフ、サブチーフを主に月20万円以下で雇い、後のスタッフは時給800〜850円(昼間=東京都内)である。
 したがって、意欲のある人を含めて長く働けず、スタッフは常に入れ替わっている。
 そのためか、ある図書館では窓口委託のスタッフは2、3ヶ月でやめて行くため、新しい人の確保と教育が日常業務に加わるため大変だとチーフ役の社員はこぼしている。
 図書館にポリシーを持った人がいつまで働き続けられるのか問題である。

◆現実と乖離した高山・南理論
 高山氏は、公務員は「長期間の同一業務への従事による熟練」と高度の能力保持は不可能であるとし、解決策は非公務員型の人事管理によるならば、可能である。
 「専門能力を有する人たちを十分に処遇できる非公務員型の人事管理システムを持った組織が図書館業務を請け負うことが必要となる」と言っているが、しかし、その処遇を含めた実態は全く逆である。

 指定管理者制度の図書館運営は働いている職員にスキルをつけることができないし、長期的な展望をもった図書館政策が策定されない(役所が一方的につくることはできても現場との一体性は認められない)。
 結果的には、住民の学習権を守るのはおろか図書館が、彼らが批判していた「無料貸本屋」に限りなく近づいていくのである。

(東京支部 大澤正雄)
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2009年05月11日

新型インフルエンザと図書館

 世界的な流行を見せている「新型インフルエンザ」。
 みなさんが良く利用する図書館では何らかの情報提供をしていますか?

 例えば、館内でインフルエンザの予防法(手洗い・うがい)や都道府県の保健所の連絡先、自治体の保健センターからのお知らせ、発熱相談センターの連絡先等々、これらの情報を1枚の紙にコンパクトにまとめたものや、インフルエンザ関連図書コーナーを目立つところに展示、貸出していますか?
 また、図書館のホームページに「新型インフルエンザ」の関連サイトの紹介などしていますか?

 さらに、もしも新型インフルエンザが日本で流行した際(かなり、現実味のある話です)に図書館はどう対処するのか利用者のみなさんに説明していますか?
 今後の流行の速度や、ウイルスの毒性にもよりますが、おそらく、事務室内(図書館の裏側)では、色々と話し合っていると思われます。ただ、それを利用者のみなさんにお知らせする段階にはないと思っているのかもしれません。
 ですが、図書館は不特定多数の人が訪れる場所です。新型インフルエンザが日本に上陸し流行すれば、図書館内で感染する人が発生することも考えられます。
 そのためにも、図書館で対処を早急に決め、利用者のみなさんに公表する必要があります。

 最悪の事態は、図書館の臨時閉館です。事実、メキシコでは10日間ほどメキシコシティの図書館が休館しています。
 では、臨時休館した際、どのようにみなさんに図書館から情報を提供するのか、そのあたりも図書館は考えて行かなければなりません(でも、この部分は考えていません・・・大事なのに)。

 職員の中にもインフルエンザにかかってしまう人もいるでしょう。
 インターネットで情報を発信すればいいよ、なんて声が聞こえてきますが大流行時にインターネットがちゃんと機能する保障はありません。
 インターネットを管理しているのは人なのですから。

 今後も新型インフルエンザのニュースはしばらく続くでしょう。
 今のところ、冷静な対応が求められており、通常に生活できる状態です。
 今のうちから図書館で正しい情報を得てしっかりとした対処をすることは、ワクチンを一つ得たことと同じではないでしょうか。

国立感染症研究所
http://www.nih.go.jp/niid/index.html

厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/

新型インフルエンザ対策.jp
http://新型インフルエンザ対策.jp/

(N.T.)
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2009年05月04日

 不得手を克服したい(その3・幸せのクローバー)

 みなさん!四つ葉のクローバーを自力で見つけたことがありますか。
 私は30数年間一度も探し当てたことはありません。
 子どもの頃何度も挑戦しましたがダメ。

 幸せのクローバーとの出会いの人生をあきらめかけていた先日、我が子(男子・おとめ座)と公園でキャッチボールを始める前に久々に挑戦しました。
 我が子は、あっという間に探し出す一方で、やはり発見できない私。
 天気もよく久々に太陽の暖かさとちょっと冷たい風、新緑の香りで気分よく捜索するがダメ。
 あきらめかけた頃に、「見つけた! 五つ葉のクローバー!」
 我が子に自慢すると「不幸のクローバーだよ」と一言。
 しかも立て続けにもうひとつゲット。

 あとで本で調べてみようと心に決め、必死で帳消しにしようと心に誓い、あきらめかけた頃に発見!
 しかも続けて3つも。
 「これで帳消しだー!」と気分は『バッテリー』(著:あさのあつこ)状態でキャッチボールをスタート。
 と思いきや、数球投げただけでへっぽこな者で肩が痛い。準備運動が必要と痛感。
 タイムを取って準備運動をして再スタート。

 行革の中で指定管理をまぬがれたものの、民間委託(窓口業務委託)について命が下りています。
 なんとか打破しようと、今年1月から職員による検討委員会(行革担当、教育委員会など10名で構成)・市民アンケートを実施しました。
 職員による検討委員会ではヘコミっぱなしで、もうだめかなあ、もうだめだろーと思いながらも資料作りに追われた4ヶ月間。
 この4月にアンケートを市内公民館など10箇所に設置し、幼稚園・保育所・小中学校などに協力を依頼しました。

 アンケート内容は、枠内予算で運営を行わなければいけない状況で、何を市民は望むのか。また、市民は単に貸本屋として図書館を利用しているのか、市民にとっての図書館の存在を知るためのもの。
 結果は、人口の1%から回答があり、30代では子育て・仕事等が半数を占め生活に根付いていることが実証されました。
 サービスの維持・向上では、資料充実・読書推進が大半を占め、夜間開館や市外者利用サービスを縮小してもやむを得ないとの結果を得ました。
 自由意見では子どもがうるさい、開館時間や祝日開館、視聴覚資料の充実を求める一方で、民間委託に対する疑問の声や現状維持、読書推進の希望が大半を占めました。
 この市民の思いがたくさん詰ったアンケート。今、この声をどう届けようかと思案中です。

 来週は、いよいよ「市民との意見交換会」。
 中立的にかつ、どう市民の思いを引き出し、市に届けるかこれまた思案中。
 今日ゲットした四つ葉のクローバーを持って臨もうと思っています。

(Y.K.)
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2009年04月21日

長距離走者の孤独

 高校3年生の卒業間際に学校の図書室で手にした『長距離走者の孤独』。
 開いてみるとノートを破った紙に鉛筆書きのローマ字で詩かメッセージのようなものが書いてあった。

「誰もが通り過ぎる青春の時
それは一瞬の輝きにも似て・・・
(中略)
I LOVE (高校名) FOREVER!」

 署名、日付なし。

 映画じゃあるまいし、まさかそんなものが挟み込まれていたとは思わなかったので、びっくりした。
 元のページに戻して、そのまま本を返却した覚えがある。
(しかも、本の内容は覚えていない!)
 誰が書いたのかもわからないし、このことを誰かに話した覚えも無い。ただ、何かの拍子にふと思い出していただけである。あの本はどうなっただろう?
 書庫がない学校だったから、除籍された可能性のほうが高いけど、もしかしたら、まだあるかもしれない。時々、探しに行きたくなるときがある。

 いま勤務している図書館では、本が返却されたらざっとページをめくって本の状態を確認している。
 本がタイムカプセル化しないように日々の書架整理も怠らないようにしているので、本の中から何かが出てくるはずもない。それはそれでちょっとつまらないような気がする。
 個人情報が記されたものであれば、ご本人に返却する義務みたいなものが生ずる。保険証が挟まっている時もあった(呆然)。
 書き込みも困るが、栞代わりの紙片にもご注意あれ。

(A.M.)
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2009年04月13日

なぜ読書をしないのか?

 図書館は、読書というものに良い価値を前提として置いているところがある。しかし、すべての読書が良い価値があるかどうかは、証明されているわけではない。
 良い本を読めば、その読書には良い価値があるという、一見、わかりやすい話もあるが、ある人にとって良い本が他の人にとっても良い本であるとは限らない。そこまで客観的に、本の良し悪しを言うのは難しい。
 ただし、たとえば、経済学をやっている人なら、アダム・スミスの国富論(諸国民の富)くらい読みなさいとか、宗教学をやっているなら、エリアーデの本のいくつかくらいは読みなさいとか、そういうことは言える。

 つまり、何らかの目的を持っていれば、読書というものは、非常にわかりやすいものになる。
 読書というのは、手段であって、目的ではない。いくら本好きでも、一生、ただひたすら本ばかり読んでいる人生だったら、楽しいだろうか?

 それから、たとえそうしたって、人一人が一生に読める本の量などたかが知れている。
 芥川龍之介も「侏儒の言葉」か「ある阿呆の一生」かどちらか忘れたが、そういうことを言っている。
 ショーペンハウエルも「読書について」で、無秩序な読書は、黒板に落書きしているようなものだというようなことを確か言っていたような気がするが、もう一度読み直してみないと確認できない。

 ともかく、そうなると、読書をしない人というのは、次の五通りだと思う。
 まず、第一に、これと言って目的のない人。
 第二に、目的はあるが、手段としての読書に有効性を認めていない人。
 第三に、読書する能力に欠ける人。
 第四に、読書する時間がない人。
 第五に、本屋も図書館もインターネットもない人。

 第一の人は、それでも、目的を持てば読むようになるかもしれない。
 また、はっきりとした目的を持たなくても、読書そのものの面白さ・楽しさを知れば読むようになるだろう。
 それは、無駄なようでも、何かの局面で役に立ってくる時がある。
 こういう人たちには、何らかの働きかけをすれば、すぐ本を読むようになるかもしれない。

 一番多いのは、たぶん、第四の人だろう。言い訳にも聞こえるが、実際、読んだり書いたりというのは、思いのほか、時間がかかる。
 受験勉強としての暗記をしなければならない人だとか、仕事が残業だらけの人だとかには、無理であるのも仕方がない。
 しかし、暗記だけの勉強など本当の勉強ではないし、いくら残業をしたって、何も読んだり調べたりしない仕事というのは、まったく創造性に欠け、非知的な仕事である。
 こういう人は、一日のうちにわずかでいいから、読書の時間をつくることが必要である。通勤・通学の電車・バスの中とか昼休みが一番良い。

 第三の人はやっかいだが、それでも、どうにかすることはできる。
 私たちが英語を勉強するように丁寧に国語である日本語を学習していけば、その文章の読解力はついてくる。
 しかし、これも、悪い英語の勉強の見本である単語の丸暗記のようなことをしていたら、効果は上がらない。
 言葉の意味は、文脈によるので、英語の文章でも易しい文章をたくさん読んだり、映画などを見たりすることを薦められるように、日本語でも自分がわかる程度の本をたくさん、いろいろな分野のものを読むことが効果がある。
 図書館は、その意味で格好の場だろう。

 最もやっかいなのは、第二の人だ。
 この人たちの中には、信念で読書など役に立たないと思っている人がいる。そういう人でもたまには成功している人もいるのでやっかいだ。
 ただ、その成功は、相当強引な手段とか、知恵というより狡知によるものなどだったりする。いつ失墜するかわからない類である。
 まず、こういう人たちは、自動販売機のように押せば出てくる便利な知恵などないことを悟るべきである。
 読書や調べものの効用、図書館の効用をいくら言ったって、押せばポンと出るシロモノではない。そもそも、そんな虎の巻があったら、とっくにみんなが飛びついているはずである。
 読む → 考える → やってみる → 結果をみて考え直す → 読むというサイクルを踏まなければ、どうにもならない。
 読書というのは、plan, do, seeのplanとseeに深く関わる。この構造を良く知ってもらうしかないだろう。

 ところで、残念なことだが、自治体はplan, do, seeやplan, do, check, actの中に読書や調査というものを位置づけているだろうか?
 どうも怪しい。そもそも、そこまで読書や調査を重視していれば、こんなにも、先進国中、恥ずかしいほど、図書館を軽視することはないだろう。
 だから、提案したい。PDSないしPDCAサイクルにもうひとつ加えて、read(research), plan, do, seeとしたらどうだろうか?

 ところで、第五の状況のところは、びっくりすることに今の日本でもある。
 インターネットがないというのは大げさかもしれないが、ブロードバンドが整備されていないところはまだあるのである。いまどき、ブロードバンドなしでインターネットは苦痛である。
 こういうところにはぜひとも図書館を建てるべきである。それも、ブロードバンドより先に。
 そもそも、このような状況では、文字はあっても本はないという世界であり、はなはだ無文字社会に近い。
 無文字社会は文字がない分、恐ろしい記憶力の長老やシャーマンがいるからいいが、なまじ文字がある社会で本だけないというのは恐ろしい状況である。
 地域まるごと差別されていると言ってよい。文明が文字社会化して差別が進行したのはこういう事情にある。
 本がない状況なら、読書を知らない世界と言ってよく、ブロードバンドが整備されたところで、オンライン書店で本を買ったりしないだろう。
 自治体が無理なら、都道府県や国が後押ししてでも建てるべきである。
 それもやる気がないなら、発展途上国なみというしかないが、そういう実態である。悲しいことだ。

(S.Y.)
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2009年04月06日

役所に人事異動はつきものですが...

桜三分咲き.jpg 今年の桜の開花は早かったのに、ここ数日の寒さで足踏み状態です。皆さんの所はいかがですか? 週末はお花見に行けるかな...

 春と言えば、異動の季節でもあります。図書館へ戻った人、図書館から異動した人、この時期は悲喜こもごもいろいろな思いが交錯しています。知り合いにも新天地で新しい生活を始める人がいます。
 ドキドキワクワク、どんな気持ちなのでしょう?

 私の職場では、係長が異動になりました。係長は行政の方なので2年くらいで交替です。
 そして、念願の学校司書が6人、全校配置になります。ここ何年か、人が減る一方だったので、久しぶりに賑やかになりそうです。
 特に学校司書は全校配置から一転、去年1年間配置がなくなりました。学校図書館の利用が激減し、先生や保護者からも復活の声がたくさん挙がりました。
 今回は県の補助事業ということですが、補助事業期間が終わっても、必要性を認識してもらい、そのまま継続事業になるよう頑張りたいです。

 おまけに、私も初めての児童担当になりました。勤務してから9年目にして初の担当替えです。
 今までいっぱい勉強してきたことを活かして、心機一転、楽しみたいです。

(M.T.)
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2009年03月30日

図書館運営に必要なこと

 図書館のお客にも職員にも、ときどき、困った人がいる。クレーマーというほどではないかもしれないが、一歩間違えればそれに近い。
 顧客満足が言われる昨今、こういう人の意見も聴かなければならない、その意見の中にヒントがあるという考えがある一方、危機管理などと言って、過剰に問題視しすぎる傾向もある。

 2つの傾向は流行だが、あまり乗らない方がよい。
 図書館は、もっと多くの普通の人々の役に立つことをひたすら考えていた方がよい。
 困った客や職員に振り回されると、図書館はとてもめんどくさい所になる。
 困った人などは、いつの時代でもいるものだくらいに受け止めていればよい。過剰反応は禁物である。
 特殊なことばかり考えず、普通の人が仕事をするにあたって役に立つようにとか、普通の人が健康を保てるようにとか考えていればいい。

 こういうことは意外と政治にも言える。
 金持ち優遇も貧乏人優遇も、実は歴史では成功していない。普通の人が普通に生きられるようにした社会が一番、成功している。
 本当はこのことは、日本人が一番、知っていたはずなのだが。

 教育にも言える。
 学力低下が叫ばれるものだから、これも両極端の反応があって、東大生でも学力が低いなどと言う人がいる一方で、分数の計算が満足にできない大学生がいるなどと言う人もいる。
 勉強なんてやらなければ、できないのに決まっているから、まったくやらない人をどうしようと考えても無駄である。
 一方、学力が高い人のちょっとの違いをオリンピックのように競うのも馬鹿馬鹿しい話で、学びの本質からずれている。
 そんなことよりも、普通にやろうと思っている人たちに、きちんと応えていくことだ。それで、自然に集団の学力などは上がってくる。

 難しく考えすぎず、ストレートにサービスを展開すれば、図書館運営はそれほど困難ではなくなる。
 つまらない保身も考えず、正直で誠実なサービス、これに勝るものはない。
(S.Y.)
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2009年03月23日

中学生と絵本



 図書館職員のコリアンダーです。

 中・高校生は、部活・勉強で忙しい。よってなかなか図書館に来てくれない。本を読む時間もないようだ。
 そんな中、中高生向けの企画にいつも悩んでいます。
 一方では、体験学習の申込みは多数あり、対応に困るほど。なんかニーズがすれ違ってるぞ。

 ということで、先日、中学生の体験学習の時間を使ってこちらが試したい企画をぶつけてみよう、ということになりました。これを市民協働で行いました。
 今回試した新企画は、市民の方から出たアイディアで、いつもやっているレファレンスクイズにプラスして、「本当のお客さんの質問に答える!」と、「絵本の読み聞かせをしてみる!」の2つ。

 まず、いつものレファレンスクイズというのは、質問が書いてあるカードを一人に一枚ずつ渡し、図書館の本で調べてその本を持ってきてもらうというもの。
 これは本の分類、索引や目次を活用して取り組めるすぐれものです。
 ゲーム感覚で取り組めるせいか、みんなダッシュで次の質問カードを取りに来る。途中で「走らないでー」と注意しなければならないほど。
 最後には生徒の周りに本が山と積まれることとなるのです。

 この盛り上がるプログラムの質問の一部を本当の市民(私たちも市民だけど)から口頭で出題してもらいました。
 そしたら「この○○という石碑はどこにあるか?」等々けっこう高度なご当地問題が出題されました。
 利用者とのやり取りも緊張〜! みんな、なんとかクリアできて、ふぅー。

 もう一つのチャレンジ「絵本の読み聞かせをしてみる!」は、「中学生がのってくれるのか?」「お客はいるのか?」などの不安がスタッフ側に押し寄せ、正直腰が引けました。
 このため、いつにない弱気の虫にかられ「お互いに絵本を読み合ってみよう!」という形に着地。これは各4、5人3チームでやりました。

 中学生一人一人に絵本を読み聞かせしてもらい、チームの他の中学生とスタッフ(職員、市民1、2人)が聞きました。
 あらかじめ読み聞かせに向きそうな本を20冊ほどチームに渡して、自分が気に入ったのを1冊選んでもらいました。
 驚いたことにみんな自分に合った絵本を選ぶのです!
 ユーモアのありそうな子は『かえるとカレーライス』を選ぶし、静かな子は『いちご』を選ぶし、活発な体育会系は『アカメアマガエル』を選ぶし、ちょっと斜に構えた子はナンセンスものを選ぶし、、、といった具合。

 中学生に読んでもらって、ちょっとじーんとしました。
 恥ずかしい気持ち、とまどいの気持ち、その絵本を少し面白いと思っている気持ちが混ざりつつ、伝わって来ました。
 読み手の心持ちってほんと伝わるものだなあ。
 1つのチームは最後の一人がナンセンスものを読んだのですが、みんなが、「ぼくも読みたい」(取り合い!?)と、また全員が一人ずつその本を読みました。
 一回一回大受けで、こんなに盛り上がることもあるのか(つぼにハマったということでしょうね)とびっくりしつつ、私も笑ってしまいました。
 場の設定に工夫がいるけど、「中学生よみきかせ」の可能性を感じるイベントとなりました。

 それからもう一つ。視覚障害者向けの読み上げ機械「よむべえ」をみんなに聞いてもらったんですが、たいへん興味深かったようです。
 このソフトを聞くヘッドフォンが我も我もと取り合いになりました。
 機械音声が面白かったというのもあるけれど、「これなら何が書いてあるかわかるね」といったつぶやきも漏れ聞こえ、アンケートに、図書館が本を読みにくい人にもサービスしていることを知った、という感想がいくつも書かれたのでした。


★★おまけ コリアンダーのぐうたらレシピ 3★★
「納豆雑炊 & 納豆うどん」

 納豆は大好きな食材なので、いろんな料理で食べたい!他にも怪しいレシピ増殖中。
 この2品は納豆って「豆なんだな〜」と実感できます。
 体があたたまるので、『春めいてきたのにちょっと寒い日』なんかにおすすめだぁ。
 以前、「嫌いだが、食べたい」という同僚に(私は無理しなくていいと思ったけど)雑炊の方を教えたところ、「納豆っておいしいじゃん!」と好評でした。

★納豆雑炊 <切るのはしょうがだけ>
材料:ごはん、納豆、こんぶ、しょうが、しょうゆ
 なべに水とこんぶ小1片、ごはんを入れ、火にかける。
 しょうがを千切りにして投入。ごはんが好みのやわらかさになったら、納豆を投入。
 最後にしょうゆを入れ出来上がり。

★納豆うどん <速攻でできる>
材料:冷凍うどん、納豆、エリンギ、スナップエンドウ2つくらい、玉ねぎ、酒、しょうゆ
 なべに水を入れ、だし(顆粒等)を入れ火にかける。
 玉ねぎを薄く切って、エリンギはたてに適当に切り、投入。
 玉ねぎが煮えたら冷凍うどんを入れ、しょうゆと酒を味見しながら入れる。
 うどんがやわらかくなったら納豆をほぐしながら入れ、最後に半分に切ったスナップエンドウを入れ火が通ったら出来上がり。

(コリアンダー)
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2009年03月17日

憲法に9条があるように、図書館法にも9条がある ―都道府県立図書館への政府刊行物の無償提供を目指す取り組みについて

 ほとんどの法律には9条があるものですが、9条というとやっぱり憲法のことを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。図書館九条の会が既にありますが、図書館法九条の会も結成したいと考えている今日この頃です。

図書館法
(公の出版物の収集)
第9条 政府は、都道府県の設定する図書館に対し、官報その他一般公衆に対する広報の用に供せられる独立行政法人国立印刷局の刊行物を2部提供するものとする。
2 国及び地方公共団体の機関は、公立図書館の求めに応じ、これに対して、それぞれの発行する刊行物その他の資料を無償で提供することができる。

 「官報その他一般公衆に対する広報の用に供せられる独立行政法人国立印刷局の刊行物」とは、端的に言えば国の行政機関が発行する資料で、官報(国の公報)や国会の会議録、白書や政府統計などがその代表的なものです。
 図書館の重要な機能として、国や地方自治体の政治や行政が何をしているかという情報を、国民や住民に提供するということがあげられます。
 図書館法9条はこれを実質化する条文です。1950年に制定された図書館法にこのような規定が設けられたのは、その後の知る権利の認識の高まりからすれば卓見と言うべきでしょう。
 条文を見ると、都道府県立図書館へ「提供するものとする」、その他の公立図書館へは「提供することができる」となっていて、都道府県立図書館への提供がより強く要求されています。最低でも都道府県立図書館には提供しなさい、という規定なのです。

 政府の発行する資料なんてふだんは読まない、とお考えの方も多いかもしれません。確かに、こうした資料は書店などではあまり多くは見かけません。
 しかし白書はその分野の施策やデータを概観するのに便利ですし、政府統計は何かを調べようとする時の基礎資料となるもので、利用者の相談を受ける図書館員であれば日常的に利用しています。

 たとえば、自分のおこづかいが少ないのではという疑いにかられたサラリーマンが、「日本のサラリーマンの小遣い金額の平均が知りたい」という質問をしたとします。この答えは『家計調査年報』という政府統計で調べることができます。
 この資料は、日本の家庭が何にいくら使っているかを調べる際の基礎的な資料です。また『日本統計年鑑』も基本的な統計がまとめられていて、とりあえず統計に困ったらまずこれを見るというような資料です。

 最近はこういった統計もインターネットから最新の結果が見られるようになってきました。これは国民・住民にとっては(図書館にとっても)大変便利なことなのですが、一般的にインターネットにはここ数年の統計しか掲載されません。
 長期間、安定的に情報を保存し提供するという点では、印刷した刊行物を図書館で所蔵しておくことが依然として重要なのです。

 私は県立図書館に勤務していますが、勤め始めたころ官報を受け入れていてふと気づきました。はて? 県立図書館って官報はもらえるんじゃなかったかしら。それを官報販売所から買ってるのはなぜだろう、と。先輩に聞いても、昔からそうだというだけ。
 その後いろいろ調べているうちに、図書館法ではそう書かれているが「履行されていない」という実態であることがわかりました。「履行されていない」ってそんなのあり? 官報やその他の政府刊行物も決して多くはない資料費から購入しているんだし……。そういえば憲法9条も履行されていませんね。

 国勢調査などは総務省から寄贈されてきますが、省庁によって寄贈には温度差があります。寄贈してくれなくとも図書館に不可欠な資料は毎年購入することになります。全体では購入の方が寄贈よりも多いようです。
 ちなみに経験的に言って、防衛省は大変よく寄贈してくれます。国民の支持を得たいと考えている(かつ広報予算の潤沢な)省庁ほど寄贈には熱心なようです。
 今まで購入していた政府刊行物をもし寄贈してもらえれば、その分の資料費を民間出版社の出版物(普通の本や雑誌)の充実に使うことができるわけです。

 この問題については、日本図書館協会が主体となって取り組みを行なってきました。特に昨年の、図書館法を含む社会教育一括改正法の審議の際、国会議員から図書館法9条について質問をするようお願いした結果、下記のような答弁がなされました。

169回国会 参議院文教科学委員会 第8回 2008年6月3日

○植松恵美子君「そうなんですよね。政府刊行物は無料で二部ずつ提供されることになっているにもかかわらず、実際のところは図書館側が購入しているようなんです。この費用が、一つの大体図書館当たり、年間でも五百万とか六百万あるいは数百万に及ぶと言われております。
 この政府刊行物の納本について遵守すべきであると思いますが、文科省から各省庁への要請を徹底していただけるでしょうか。」

○政府参考人(加茂川幸夫君)「この図書館法九条の趣旨でございますが、公の出版物を優先的に公立図書館に提供することによりまして、一般の国民に対する広報の用に供しようとする趣旨であると理解をいたしております。
 ここでは都道府県立の図書館が対象になってございますが、都道府県立図書館は、都道府県内の図書館サービス、図書館奉仕の中心となることが期待されておりますために、第一項のような規定、委員御指摘のような規定になっておるわけでございます。
 この規定の趣旨からしますと、私どもとしましては、委員御指摘のような実態も今心配されておりますので、まず実態把握に努めたいと思っておるわけでございますが、今の九条の条文の趣旨の普及を関係方面にまず働きかけたいと思っておりますし、刊行物を発行する省庁の理解、協力を求めながら規定の趣旨の実現に努力してまいりたいと思っております。」

○植松恵美子君「大臣、この現状を今お知りになっていただいたと思うんですけれども、今後、積極的にこのことを取り組んでいただけるでしょうか。図書館の現場では、今非常にこの図書購入費という財政が非常に限られてきておりますので、これを無料でいただけるかどうかというのは大きなことなんですね。大臣、もう一度お願いいたします。」

○国務大臣(渡海紀三朗君)「法の趣旨にのっとって、各省庁にもきっちりと徹底するように我が方が努力をさせていただきます。」

 文部科学大臣が「きっちり徹底するよう」努力すると言ったことを足がかりに、それを現実のものとする働きかけが必要です。
 日本図書館協会では今年に入って、都道府県立図書館に政府刊行物の購入・寄贈状況の調査を行ないました。
 今後は調査結果に基づき、図書館現場での必要性を示しながら政府各省庁に寄贈の働きかけを行なう予定でいます。また、必要に応じて市町村立図書館にもこうした寄贈の動きが広がればと考えています。
 都道府県立図書館の図書館員だけでなく、市町村立図書館の図書館員や利用者の方からも、ぜひ公立図書館への政府刊行物の無償提供を求める声をあげていただければと思います。

(静岡支部 新)
posted by 発行人 at 23:27 | Comment(0) | リレーエッセイ | 更新情報をチェックする

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